話題の高校生バンドからLAジャズ、新世代ブラジル音楽、2020年代アンビエントまで、気になる作品をセレクトしました。
Contents
- 1 【1】テレビ大陸音頭「俺に真実を教えてくれ!!」
- 2 【2】長谷川白紙『魔法学校 / Mahōgakkō』
- 3 【3】Louis Cole (with Metropole Orkest & Jules Buckley)『nothing』
- 4 【4】Emile Mosseri & Sam Gendel『Hardy Boys』
- 5 【5】Bruno Berle『No Reino dos Afetos 2』
- 6 【6】Simmer Pine『Recipe』
- 7 【7】Buffalo Daughter「Everything Valley / ET (Densha) – AMBIENT KYOTO Mix」
- 8 【8】SUGIURUMN『SOMEONE IS DANCING SOMEWHERE』
- 9 【9】滞空時間『鳥』
- 10 【10】K. Yoshimatsu『Fossil Cocoon』
- 11 【11】菅谷昌弘『海の動物園 / The Long Living Things』
- 12 【12】UNKNOWN ME『Bitokagaku / 美と科学』
- 13 【13】Multi-Surface『NAP』
- 14 【14】soma hayato「光遊び」
- 15 【15】Ken Ikeda『Sparse Memory』
- 16 【16】Kenny Ueda『Pasadena Garden』
- 17 おわりに
【1】テレビ大陸音頭「俺に真実を教えてくれ!!」
- 2024/03/16、テレビ大陸音頭
- 千代谷竜司:ボーカル / ALUMICAN
- 鈴木隆太郎:ギター
- ヤナガワヒロト:ドラム / イヌザル
- 戸借晴亜:ベース(サポート)
札幌の高校生バンドがバズっているそうです。
Black Midi(ブラック・ミディ)の解散を現実として受け止めたくない新聖かまってちゃんといった趣きでしょうか。
2024/8/17 #Nキャス で放送した
チャート1位!話題の高校生バンド「テレビ大陸音頭」がNキャスで生演奏!
「俺に真実を教えてくれ!!」Youtube公開します。ぜひご覧ください! https://t.co/wQ5DSKmQKd#Nキャス #三谷幸喜 #安住紳一郎 #中川絵美里 #TBS #テレビ大陸音頭 #俺に真実を教えてくれ pic.twitter.com/btUOgM9r8R
— 情報7daysニュースキャスター (@TBS_newscaster) August 18, 2024
ボーカル千代谷竜司さんの別バンドALUMICANを踏まえると、JAGATARA(じゃがたら)、EYEさん(ボアダムス)、中原昌也さん(暴力温泉芸者→Hair Stylistics)辺りを想起させられます。
ここからスカムやノイズも内包するアンビエントまで駆け抜けましょう。
テレビ大陸音頭の千代谷さんが別でやっているALUMICANもかなり良いです
STOCK, HAUSEN & WALKMAN、DUMDUM TVに通ずるコラージュメンタリティ(ついでにVAGINA DENTATA ORGANと初期ZOOM LENSも彷彿)
ギグではこれを流して叫んだりするそうで、つまりこの映像はバックトラックhttps://t.co/C7sYNVELkx
— PussySurfers (@ButtholeGalore) August 15, 2024
【2】長谷川白紙『魔法学校 / Mahōgakkō』
- 2024/07/24、Brainfeeder / Beat Records
唯一無二の前衛音楽、独走態勢。
根幹をなすブレイクコアと歌声のギャップ萌えこそ、日本文化の賜物かもしれません。
- ブレイクコア:速い、間がない、複雑、うるさい、重い、低音
- ボーカル:美しい、優しい、儚い、かわいい、軽い、高音
『草木萌動』で多くのリスナーが思い描いたであろうシリアスな文学性を破壊する狙いで、等身大の若さを打ち出したのでしょうか。
https://t.co/lpQH9Dn5Vu#新しいプロフィール画像 #NewProfilePhoto pic.twitter.com/H4PH0tapo6
— 長谷川白紙 Hakushi Hasegawa (@hsgwhks) May 7, 2024
長谷川白紙「口の花火」
そもそもBrainfeeder(ブレインフィーダー)デビューやSam Wilkes(サム・ウィルクス)とのコラボは、正当にカッパ発見並みの大騒ぎになっているのかどうか気になります。
長谷川白紙 「外 」THE FIRST TAKE
ぎりぎりJ-POPのバラードとして理解が追いつきそうな「外」で締めくくるサービス精神も持ち合わせています。
前曲に続きREC&MIX担当しました。参加10名1人残らず相違なる強力な個の持ち主。MIXエンジニアとして「まとめる」という考えほど陳腐な事はなく、ただ全部解放すればいいのだという気持ちで向かい合いました。外は色が変わって大好きだ。長谷川白紙 – 外 / THE FIRST TAKE ♪ https://t.co/AAHrX6D3Uz
— illicit tsuboi (@modulo2008) July 31, 2024
【3】Louis Cole (with Metropole Orkest & Jules Buckley)『nothing』
- 2024/08/29、Brainfeeder / Beat Records
長谷川白紙さんとレーベルメイトになったLouis Cole(ルイス・コール)。
ルイス・コール×長谷川白紙 フジロックで実現した夢のブレインフィーダー対談@LouisColeMusic @hsgwhks @BRAINFEEDER #LouisCole #フジロック #fujirockhttps://t.co/PjEKtXrzSt
— Rolling Stone Japan (@rollingstonejp) August 4, 2023
Jules Buckley(ジュールズ・バックリー)指揮によるMetropole Orkest(メトロポール・オーケストラ)とのコラボ作では、LAビート、LAジャズ、ファンク、クラシックが混然一体となっています。
【おすすめ】
ルイス・コール、インタヴュー
「たぶん僕は、とにかくいままで存在しなかったものを作りたかったんだと思う。バンド、オーケストラ、そしてシンガー、その3つ全部が混ざり合ったものが入る余地が、この世界には残されていると思ったんだ」https://t.co/PpYQrz2jw2— ele-king (@___ele_king___) August 24, 2024
KNOWER(ノウワー)のGenevieve Artadi(ジェネヴィーヴ・アルターディ)、KNOWER常連のSam Wilkes、Jacob Mann(ジェイコブ・マン)らも参加。
やはり超絶テクと骸骨スーツ着用という悪ふざけのギャップに萌えます。
【ルイスコール、新アルバム!】
超人ルイス・コールとメトロポール・オーケストラとの共演作『nothing』が8月9日リリース決定!
グラミー賞にノミネートした「Let It Happen」のオーケストラ・バージョンを含む全17曲を収録!
先行で「Things Will Fall Apart」が公開!https://t.co/RbMMSGTDUV pic.twitter.com/uFzyLAs1FO
— beatink_jp (@beatink_jp) April 26, 2024
【4】Emile Mosseri & Sam Gendel『Hardy Boys』
- 2024/07/19、Greedy Heart Records
悪ふざけが過ぎるといえば、覆面ユニットClown Core(クラウン・コア)。
中の人はLouis ColeとSam Gendel(サム・ゲンデル)では?
……とささやかれつつ、暗黙のデビルマン化しています。
https://twitter.com/FRUE_JP/status/1698987798655844487
そのSam Gendelは魂のふるえるフェスᖴᖇᑌE(フルー)の常連。
星野源さん、折坂悠太さん、笹久保伸さん、同じくᖴᖇᑌEの常連Fabiano do Nascimento(ファビアーノ・ド・ナシメント)ともコラボしています。
- 笹久保伸&ジョアナ・ケイロス『Picture』秩父のギタリストとブラジルのクラリネット奏者が奏でる民俗の記録
- ファビアーノ・ド・ナシメント&サム・ゲンデル(Fabiano do Nascimento & Sam Gendel)『The Room』
今回はEmile Mosser(エミール・モッセーリ)とのコラボ。
Leaving RecordsのMatthewdavid(マシューデイヴィッド)がマスタリングを手がけた奇妙なアンビエントは、叫んだりふざけたりせずにはいられない先鋭的な狂気性も内包する哀愁が漂います。
【5】Bruno Berle『No Reino dos Afetos 2』
- 2024/04/10:Far Out Recordings
- 国内盤CD:2024/04/17、Unimusic
ᖴᖇᑌEの本祭、FESTIVAL de FRUE 2024(フェスティバル・デ・フルー 2024)は11月2日・3日、静岡・掛川のつま恋リゾート彩の郷にて開催されます。
- FRUE:公式サイト、X(Twitter)
FESTIVAL de FRUE 2024、追加アーティストは6組!
1組目は、FRUEZINHO'23で初来日を果たし、濃く深い熱帯の森を感じさせる新譜『Y'Y』をリリースしたばかりのピアニスト、アマーロ・フレイタスがソロピアノにて。2組目は、『Not Not… pic.twitter.com/D9EcZiN99c
— ᖴᖇᑌE (@FRUE_JP) August 23, 2024
Amaro Freitas(アマーロ・フレイタス)やSam Gendel & Sam Wilkesのほかにも注目したいのがBruno Berle(ブルーノ・ベルリ)!
ブラジルのSSWですが、ローファイヒップホップのトラックメーカーbatata boy(バタータ・ボーイ)と共に初来日とのこと。
FESTIVAL de FRUEで初来日のきまったBruno Berleですが、batata boyというトラックメーカーと来日します。少し煙たいゆるめのローファイ・ヒップホップで、日本で好きな人多そうだし、流行りそうな予感です。聞いてみてください。https://t.co/VgoeaZ8Uzw
— ᖴᖇᑌE (@FRUE_JP) July 16, 2024
日本でもYouTuber感覚で「ローファイBGM×AIイラスト」の自作動画を投稿する人が増えているようなので、ひょんな流れでバズる可能性もありそうです。
https://twitter.com/J_LandscapeAi/status/1826378753796440569
【6】Simmer Pine『Recipe』
- 2024/07/31、Simmer Pine
ローファイというか、ヴェイパーウェイヴっぽい「へにゃへにゃぺにょぺにょ感」に終始ニヤニヤさせられるのが、Simmer Pineの1st EP。
2022年に結成されたばかりの4人組インディーポップバンドです。
【INTERVIEW】スカやレゲエ、ヴェイパーウェイヴを通過しインディポップへ──注目の新鋭・Simmer Pineが語るバックグラウンドと初EP『Recipe』制作背景https://t.co/XUg7wioLvU @simmer_pine pic.twitter.com/bSFHFodGoJ
— Spincoaster/スピンコースター (@Spincoaster_2nd) August 9, 2024
【7】Buffalo Daughter「Everything Valley / ET (Densha) – AMBIENT KYOTO Mix」
- 2024/07/19、Buffalo Ranch
Everything Valley – AMBIENT KYOTO Mix (Type A)
Everything Valley – AMBIENT KYOTO Mix (Type B)
ET (Densha) – AMBIENT KYOTO Mix
邦ロックバンドのアンビエント化現象が起きているようです。
原口沙輔『スクリーンⅡ』
- 2023/09/30、Sasuke Haraguchi
Buffalo Daughterとも共演している、とんでもないプロデューサーもいます。
こんにちは。私達は地球平面説です。次に、新しい発表を観てください。
原口沙輔×をとは
フラットアース / 地球平面説https://t.co/dvwGbABMWQ#VocaDuo2024 pic.twitter.com/XCPrhDbAhM— 原口沙輔 (@sasuke_maschine) July 8, 2024
【8】SUGIURUMN『SOMEONE IS DANCING SOMEWHERE』
- 2024/08/07、KiliKiliVilla
豪華なゲストに彩られた、歌ものクラブミュージック。
その昔、インストのクラブミュージックで踊り明かした日々に聴こえた気がした空耳は、幻ではなかったようです。
ソロデビュー25周年を迎えるSUGIURUMNが7年ぶりとなるアルバムを発表。曽我部恵一、スチャダラANIらが参加し、マスタリングに砂原良徳。@SUGIURUMNhttps://t.co/Abk3PyCGaX pic.twitter.com/HNVJyPY17P
— NiEW(ニュー) – 音楽とカルチャーのオルタナティブメディア (@NiEWJP) June 14, 2024
【9】滞空時間『鳥』
- 2024/08/16、microAction / BRIDGE
影絵師&音楽家の川村亘平斎さんが主宰する滞空時間。
「架空の島の民謡」というコンセプトなので、ガムランやスティールパンがエキゾチックに響いたり、カッパが都都逸(どどいつ)を歌ったりします。
【NEWS】滞空時間、3年ぶり5thアルバム『鳥』リリース
サウンドエンジニアに内田直之、新メンバーに角銅真実、ゲストミュージシャンに嶺川貴子を迎えた一作 https://t.co/KYuxc4FrNT @TAIKUHJIKANG pic.twitter.com/utBYl9z9hB
— Spincoaster/スピンコースター (@Spincoaster_2nd) August 13, 2024
【10】K. Yoshimatsu『Fossil Cocoon』
- 2024/08/16、Phantom Limb
台所でやかんのお湯が沸騰しそうな緊張感のみ継続し、一向に吹きこぼれず、空炊きにもならない日常の妙が目に浮かぶミニマルミュージック。
最終的にたどり着く楽園も枯れないお花畑のようです。
僕の3枚目のレコードが海外で発売されます
今回はイギリスのレーベルPHANTOM LIMBから
DD.Records時代のソロ6曲を再編したベスト盤レコードは8/16に発売予定
日本では輸入盤での入手になります先行シングルとして「Violet」を本日より配信https://t.co/eQ0CnBLDeQ
よろしくお願いします pic.twitter.com/IoWPCIwUDm
— K. Yoshimatsu (@k_yoshimatsu) June 12, 2024
【11】菅谷昌弘『海の動物園 / The Long Living Things』
- 1988、ALM Records
- 2024/08/07、P-VINE
パパ・タラフマラの舞台音楽の再発、というだけで小劇場フリークには垂涎もの。
80年代の日本のアンビエントが海外から再評価されるきっかけとなったコンピ『Kankyō Ongaku』にも1曲収録されています。
ローファイ、ヴェイパーウェイヴ、「架空の島」のコンセプトにも通じる「へにゃへにゃぺにょぺにょ感」のほか、ジャズピアノ的な雰囲気も堪能できる環境音楽、アンビエントです。
1988年のアルバム再発です!https://t.co/yXH5oY4rT9
— 菅谷昌弘 (@kizmiwan) August 6, 2024
VA『Kankyō Ongaku: Japanese Ambient, Environmental & New Age Music 1980-1990』
- 2019/02/15、Light in the Attic
再評価の注目の的は吉村弘(Hiroshi Yoshimura)さん、芦川聡(Satoshi Ashikawa)さん、尾島由郎(Yoshio Ojima)さん、宮下富実夫(Fumio Miyashita)さん、清水靖晃(Yasuaki Shimizu)さん辺りでしょうか。
Hiroshi Yoshimura/ 吉村弘 – Music for Nine Post Cards [LP]https://t.co/cLwr6QTwjq pic.twitter.com/XgbnoQuUl0
— 春の雨 cafe & records (@HarunoameRecord) August 24, 2024
さらに北村昌士(Masashi Kitamura)さんと津田治彦(Haruhiko Tsuda)さん率いるフォノジェニックス(Phonogenix)のユニット作までコンパイル!
北村昌士さんは音楽雑誌『FOOL’S MATE』の初代編集長、TRANS RECORDS(トランスレコード)レーベル主宰者、YBO²のボーカルでした。
つまりインディーロック、ポストパンク、ニューウェイヴ、ノイズも内包するアンビエントの具体例が示されていることになります。
【レビュー】
菅谷昌弘『海の動物園』アンビエント~ニューエイジ文脈で再評価される88年作 電子音と生演奏が溶け合う無国籍なハーモニー(bounce)#菅谷昌弘 #海の動物園https://t.co/IgDnJhr0Va— Mikiki タワーレコードの音楽ガイドメディア (@mikiki_tokyo_jp) August 8, 2024
【12】UNKNOWN ME『Bitokagaku / 美と科学』
- 2024/07/19、Not Not Fun
- やけのはら、P-RUFF、H.Takahashi、大澤悠大
「2020年代の現行アンビエントがとんでもないことになっている!」とカッパ発見並みに大騒ぎしても、食わず嫌いの人にはピンとこないかもしれません。
TURN TV【DIG IT! vol.1】Kankyō Records
その場合、80年代コンピ『Kankyō Ongaku』の吉村弘さんに相当するのが、2020年代コンピ『Medium Ambient Collection』のH.Takahashiさん(Kankyō Records)、だけでも覚えて帰ってください。
そのH.TakahashiさんのユニットのひとつがUNKNOWN ME!
とにかく聴けば伝わるでしょう。
この世にこれほど美しい音楽が存在するのか、とカッパも川に流れます。
- H TO O『Cycle』H.TakahashiとKohei Oyamadaのアンビエントデュオによるデビュー名盤
- H.Takahashi『Escapism』現行アンビエント最注目作家の傑作が再発
- David Edren & H.Takahashi『Flow | 流れ』ベルギーの電子音楽家と日本のアンビエント作家のコラボ作
- Masahiro Takahashi『Humid Sun』無我の境地に誘われるトロピカルなジャズアンビエント
日本を代表する現代アンビエントユニットであり、東京インディシーンきってのスターグループであるUNKNOWN ME (やけのはら、P-RUFF、H.TAKAHASHI、大澤悠大) による、前作に引き続き ”美” を追求したアルバム『Bitokagaku』がLPで到着。… pic.twitter.com/Aj3dZpaZMo
— Kankyōrecords (@kankyorecords) July 31, 2024
VA『Medium Ambient Collection 2023』
- CD:2023/12/20、medium
- Bandcamp
https://twitter.com/masanori_nozawa/status/1728256563520123081
- tohma『dream』ルーツはクラシック、音楽制作アプリを活用したDTMによるアンビエント
- Satoshi Arai『街の窓』かわいい音色のアンビエント~エレクトロニカ!マスタリングは大塚勇樹
- なのるなもない x YAMAAN『水月』アンビエントヒップホップの神髄、降臨
VA『Medium Ambient Collection 2022』
- CD:2022/12/21、medium
- LP:2024/03/20、medium / astrollage
- Bandcamp:Bandcamp
https://twitter.com/masanori_nozawa/status/1739928662139343278
- MINGUSS(ミンガス)『The Farthest Desert』マニュエル・ゲッチング(Manuel Göttsching)ら参加の奇跡の名盤
- Endurance(エンデュランス)『Further』大阪アンビエントの総本山Muzan Editions主宰者が放つ快作
- Chihei Hatakeyama(畠山地平)『Hachirogata Lake』八郎潟のフィールドレコーディング主体のアンビエント・ドローン
【13】Multi-Surface『NAP』
- 2024/07/19、Not Not Fun
UNKNOWN MEの面々とレーベルメイトになる山口の音楽家Multi-SurfaceことTomokazu Fujimotoさんの『NAP』も極上のアンビエント!
めくるめく音響の美しさに、刹那の緊張感も織り交ぜられています。
雅な茶室で抹茶をいただくうちに密林の奥深くへと紛れ込み、湖に浮かんだかと思いきや気を失うような間の美学とインダストリアルな喧騒を思い出し、小動物や鳥や魚とたわむれる能楽絵巻のようです。
USの名レーベル【Not Not Fun】から山口県の電子音楽家、”Multi-Surface”こと”Tomokazu Fujimoto”により2年ぶりとなる同レーベルから2作目のリリース。… pic.twitter.com/o0eLfEfMIy
— Kankyōrecords (@kankyorecords) August 2, 2024
【14】soma hayato「光遊び」
- 2024/08/11、soma hayato
2020年代の日本のアンビエントシーンのうち、個人的な注目ポイントはざっくり3つ。
- アンビエント専門(周辺)のレコード店
- アンビエントコンピ『Medium Ambient Collection』
- アンビエントイベントMIMINOIMI
流れは2つ。
- クラブ系:クラブミュージック~IDM、エレクトロニカ~アンビエント、エクスペリメンタル
- アート系(芸術・美術系):現代音楽~実験音楽~環境音楽
そのうちアート系の流れをけん引するのがMIMINOIMI周辺という認識です。
- MIMINOIMI(イベント):Yama Yuki、kentaro nagata、FeLid(主催3人)
- TENbient(イベント):kentaro nagata、Cixa、Yu Ogu、Kentaleaux Nakajima(主催4人)
- OiD(ユニット):Yu Ogu、soma hayato(メンバー2人)
- Bahía Mansa / Yama Yuki『Cartas Náuticas』チリと日本のアンビエント作家が描く大西洋と太平洋の海図
MIMINOIMIのYama Yukiさんに着目して、たどり着くのがsoma hayatoさん。
2020年代アンビエントを象徴するおもしろさは「空間的な広がりを生み出す柔らかな音色」にあるとにらんでいますが、「光遊び」もその賜物でしょう。
とんでもない芸術運動が粛々と繰り広げられています。
「光遊び」という新しい曲がリリースされました!よかったら聴いてみてください。https://t.co/WD0NKAlAb4 pic.twitter.com/C1osF7NyiV
— soma hayato (@s0ma_hayat0) August 11, 2024
【15】Ken Ikeda『Sparse Memory』
- 2023/04/21、ROOM40
MIMINOIMIの新たなレギュラーイベントシリーズ「Food for Ears 〜 耳の糧 」、その5回目は2024年9月7日、東京・渋谷のミュージックバーTangleにて開催。
David Lynch(デイヴィッド・リンチ)や横尾忠則さんの展示にも楽曲提供する即興音楽家Ken IkedaさんをDJとして招く、芸術的な意味や糧に痺れます。
Lawrence English(ローレンス・イングリッシュ)主宰のROOM40からリリースされた23年作は、まさに耳福。
レヴィ=ストロースの『野生の思考』に触発された、進化する神話の一種だそうです。
Akaiのサンプラー、Yahama DX-7、Korg SDD-3000といった古いシンセや機材により、深い森とも宇宙の果てとも水中とも判別のつかないタイムレスなサウンドが紡がれます。
はやくも[耳の糧]第5回目です!Ken IkedaさんにDJやっていただきます!! https://t.co/TYfjFf3yWR
— Yama Yuki (@yamoyuku) August 20, 2024
【16】Kenny Ueda『Pasadena Garden』
- 2024/07/22、Mystery Circles
横浜の音楽家Kenny Uedaさんも、5回目の「耳の糧」にDJ参加。
そのMIMINOIMI、耳の糧のYama YukiさんとBahía Mansaのコラボ作同様、Mystery Circlesからリリースされた新譜もレトロフューチャーな音色がたまりません。
Roland Juno6、Casio Sk1、Yamaha VSS-30・SY35やエレキギター、エレキベースを駆使しているそうです。
【New information】
9月7日(土)、MIMINOIMIのレギュラーイベントシリーズ「Food for Ears 〜 耳の糧 〜 vol.5 – Late summer edition -」を渋谷道玄坂にある隠れ家的ミュージックバー「Tangle」にて開催します。 pic.twitter.com/CYRlv4ISAw
— MIMINOIMI (@MIMINOIMI_info) August 20, 2024
おわりに
今月は「危険な時間帯に危険地帯で毒を吐いたり奇襲合戦を繰り広げたりするのは本当に危険と思い知った果ての……LAジャズ、新世代ブラジル音楽、2020年代アンビエント」というコンセプトでロングセットをお届けしました。
どうにか生き抜き、また来月お会いしましょう!