Kan Sanoさんの6thアルバム『Tokyo State Of Mind』(2022年4月27日)全曲を考察します。
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はじめに
1983年8月6日生まれ、石川県金沢市出身、バークリー音楽大学卒業、origami PRODUCTIONS(オリガミ・プロダクション)所属のKan Sano(佐野観)さんは、東京を拠点に活動するキーボーディスト(ビアニスト)&プロデューサー(トラックメーカー)。
「Tokyo State Of Mind」の
歌詞についてのインタビューです
Kan Sano、シンガーソングライターとしての素顔 自身と向き合い生まれる“言葉”への深いこだわり https://t.co/N3GdkQ0g5K @realsoundjpより— Kan Sano (@kansano) June 6, 2022
全11曲中先行シングル1曲、インスト2曲を含む、36分あまり(限定盤CD:2枚組・全21曲・1時間10分あまり)の『Tokyo State Of Mind』は、ビリー・ジョエル(Billy Joel)の「New York State of Mind」(ニューヨークの想い、4thアルバム『Turnstiles』ニューヨーク物語、1976年5月1)を彷彿とさせるタイトルがつけられています。
このチルアウトにぴったりな歌ものポップス集の歌詞に注目しましょう。
【1】I MA feat. dosii
アルバムのリード曲「I MA」は韓国の男女デュオdosii(ドシ)をゲストに迎え、石田玄紀さんのサックス3種類&フルートがジャジーに響くR&B。
R&Bの様式美といえばラブソング。
恋愛になぞらえて別のことをイメージさせる手法もあり、「I MA」では冒頭のパートから「時間と空間の感覚が揺らぐような音楽と言葉の邂逅=音楽愛」が綴られていると考えられます。
表向きには「僕と君の恋愛物語」が描かれつつ、その裏で「メロディー、リズム、ハーモニー」の三大要素が混ざり合うことによって生まれる「音楽の不思議」について語られているイメージ。
とくにアルバムのオープニングとして、『Tokyo State Of Mind』のテーマが歌ものポップスであることが表明されているようです。
ただ、音楽家が音楽そのものをテーマとして取り上げると、専門的になりすぎる恐れもあります。
「僕が伝えたい本音」としては「普段どおりの時間の流れや慣れ親しんだ場所から抜け出せる、音楽(君)の最高のおもしろみを音楽家(僕)だけが知っている世界線では、恋愛も含めた日常生活すべてが音楽に変わるという不思議な現象が起きている」といったところでしょう。
しかし、あくまでもポップスとして幅広く届いてほしいねらいもあり、「味方にしてる」と「どうかしてる」で韻を踏むとか、「seriously」(意味:真面目)をひらがな表記にするといった言葉遊びや冗談が散りばめられています。
タイトルの「I MA」は「いま」つまり現在という意味で、「it’s you」と「いつ言う?」の冗談めかしたダブルミーニングに対する答えでした。
「いまさらでもかまわない 幻じゃない」の文末と文頭が「い ま=I MA」になっているというエピソードもおもしろいですね。
このアルバムで「僕」が表現したい「本音」も「ラブソングに込められた音楽愛」というダブルミーニングでしょう。
この後に続く韓国語のパートでは「過去にとらわれてケンカをした果てに、いま笑い合うカップルの心情」が描かれています。
I MA pic.twitter.com/GlAk5JZ7CL
— Kan Sano (@kansano) July 28, 2022
- 歌詞:AWA
【2】image
ファッションブランドantiqua(アンティカ)のテレビCMソングとして書き下ろされたディスコ調の「image」。
ANTIQUAのCMに新曲
「image」書き下ろしました
今回は僕もCMに出演しています!!
今日からテレビで流れてますので
見かけたらよろしくお願いしますhttps://t.co/waxPP5N9ni pic.twitter.com/FQnHUStER8— Kan Sano (@kansano) July 3, 2021
ファッションブランドのCMソングらしく、「何色(の服)を選ぶ?」という自分の選択が誰かに影響を与えることもある、といったワクワク感が表現されています。
新たな「色」に挑戦し、自分の殻を壊すことによって、「運命」の出会いが待ち受けているかもしれません。
ファッションや恋愛などの日常が描かれているようですが、さりげなく「音」という言葉が混ざっています。
鍵盤奏者やトラックメーカー&プロデューサーとしても活躍しているKan Sanoさんにとって、このアルバムではSSWに比重を置いて歌ものに取り組んでいること、これまでのネオソウルやディスコを含みつつポップスをテーマにしていること、トラックメーカーとして楽曲制作の際に使うDAWソフトをCubase(スタインバーグ)からLogic Pro(Apple)に変えたことも新たな挑戦です。
個人的に、「image」というタイトルにはジョン・レノン(John Lennon)の「Imagine」(イマジン、1971年10月11日、アルバム『Imagine』1971年9月9日)のような願いも込められているのかもしれないと「想像」しました。
2020年4月以降、コロナ禍で全国的に緊急事態宣言やまん防が発令され、自由に「街に出られない」経験をした人も多いはず。
解除されても「曖昧」な状況が続き、なかなかコロナ前の日常には戻りません。
それでも、おしゃれして友だちと街で遊ぶ「想像」をするだけで「前向き」な気分になりそうです。
「セットアップ」はファッション用語(上下セット)とIT用語(インストール)、「ドライブ」は車の運転とIT用語(記憶装置・駆動装置)と音楽用語(エフェクターのオーバードライブ)が重なります。
また、「風」には西洋占星術の「風の時代」(2020年12月22日から約200年)という意味が込められているそうです。
さまざまな「想像」がふくらみますね。
「音符」という言葉であらわされる音楽愛や「音の間=リズム」を感じつつ、ソーシャルディスタンスを含めた人間同士の距離感に置き換えると、改めて「大事な絆」に気づかされます。
地球環境や日常生活はもちろん、ファッションも人間関係も音楽も「サスティナブル=持続可能」なものを心がけたいですね。
「ワイドシルエット」などのファッション用語に遊び心をくすぐられつつ、「風の時代」ならではの革新的な「想像」が掻き立てられたのではないでしょうか。
- 歌詞:歌ネット
【3】Tokyo State Of Mind
タイトル曲「Tokyo State Of Mind」はジャジーでチルなネオソウル。
今回の記事で、1曲ではなくアルバム全曲をピックアップした理由は、歌詞がつながっていたからです。
たとえば2曲目「image」で「街へ出るという前向きな思考のドライブ」を繰り広げたばかりなのに、この3曲目では「もう駄目になってる」と続きます。
楽しい「想像」のみならず、「孤独」な悩みにとらわれるときもあるものです。
「バイパス」や「首都高」といった東京の街並みをひとりで「ドライブ」する姿が思い浮かびます。
ラブソングとして失恋が描かれているようでもあり、コロナ禍や戦争など、個人の力では「どうにもならない」世情を憂いているとも受け取れそうです。
悲しい気分のときは無理をせず、あとは浮上するしかないところまでいったん落ち込んでみる(深く潜る)のもひとつの方法かもしれません。
- 歌詞:歌ネット
【4】逃飛行レコード (98bpm)
管弦楽器、鍵盤、ハンドクラップなどのバンドサウンドが異様に格好いい「逃飛行レコード」。
https://twitter.com/sho_ogawa/status/1519158618956132352
個人的に、このアルバムで一二を争うほどお気に入りの楽曲。
どうしようもなく落ち込んだときは「音楽に逃げ込む」のではなく「音楽で逃避行しよう」というか、「レコードの溝に深く潜るように音楽を聴き込むと、時代や場所にかかわらず、いつでもどこへでも飛んで行ける」と、どん底からよみがえる「前向き」ぶりが体現されているところが最高です。
1曲目「I MA」の冒頭で冗談めかして真剣に語っていた音楽論とも重なるため、いきなり「イントロ飛ばして」ざっくり始まるのも粋すぎやしませんか。
「playback」はレコードなどを「再生」することですが、山口百恵さんの22ndシングル「プレイバックPart2」(1978年5月1日、作詞:阿木燿子さん、作曲:宇崎竜童さん)では「巻き戻し、回想」といったニュアンス。
ただし、2曲目「image」の「ドライブ」と3曲目「Tokyo State Of Mind」の「エンジン音」は「真紅なポルシェ」につながる?という「想像」はおそらく脇道です。
それより「ハードバップのヴァイナル=レコード」といえばジャズドラマー、アート・ブレイキー(Art Blakey)のアルバム『A Night at Birdland Vol. 1』(バードランドの夜 Vol.1、1954年→1956年)?
それともリーダーバンド、ジャズ・メッセンジャーズ(The Jazz Messengers)のアルバム『Hard Bop』(1957年)?
その流れでジャズ・メッセンジャーズのジャズスタンダード「Nica’s Dream」(ニカの夢、1stアルバム『The Jazz Messengers』1956年)につながる?と「想像」するほうが王道でしょう。
もしかしたら「ドライブ」はジャズ・メッセンジャーズのアルバム『Hard Drive』(1957年)の伏線だったのかもしれません。
「レコードの溝に眠っている夢の中身=古き良き音楽」をディグろう(掘る、掘り出し物を探す、深く調べる)と呼びかけていますが、ハードバップを含むモダンジャズのトランペット奏者マイルス・デイヴィス(Miles Davis)とハードバップのサックス奏者ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)のコラボアルバムでアート・ブレイキーも参加している『Dig』(ディグ、1956年)も「想像」できます。
「夢の中身」や2曲目「image」に出てきた「音符のあいだ」としてマイルスも「想像」できたところで、満を持して登場したのがモダンジャズ&フリージャズのサックス奏者ジョン・コルトレーン。
その「リック=即興的な短いフレーズ」を聴くだけで、たとえば韓国の首都ソウルへ飛行機で旅行するようなワクワク感を味わえるというか、魂(soul)が高揚し、「ブルース(19世紀後期~)→ジャズ(19世紀末・20世紀初期~)→ゴスペル(30年代~)→R&B(40年代後期~)→ドゥーワップ(50年代~)→ソウル(soul、60年代初期~)→ファンク(60年代中期~)」といったルーツミュージックの「時代を越える」こともできます。
「1曲3分の音楽」で「時間と空間」の両方を超越し、「ニューヨーク、ロンドン、台北、金沢」という「ジャズの聖地=きみが息づいてた街」を訪れるのも素敵ですね。
音楽を聴くと「インプロビゼーション=即興演奏」のように「想像」がふくらみ、「月の裏側」まで飛んで行けるかもしれません。
ジャズスタンダードの「Fly Me To The Moon」(フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン、1954年)は多数のカバーあり。
フランク・シナトラ(Frank Sinatra)のバージョン(アルバム『It Might as Well Be Swing』1964年)はスウィングジャズのピアニスト、カウント・ベイシー(Count Basie)とオーケストラとのコラボ、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)のプロデューサーとして知られるクインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)が編曲しています。
ほかにもジャズピアニストのオスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)のインストバージョン(アルバム『Tristeza on Piano』トリステーザ・オン・ピアノ、1970年)など、ディグり甲斐があるでしょう。
「円盤」も「ヴァイナル」と同じく「レコード」のことで、「空飛ぶ円盤」やUFO(未確認飛行物体)も「想像」できますが、最終的には2曲目「image」にも出てきた「まわり続ける」という結末につながります。
挨拶の言葉は「英語、中国語、フランス語、ヒンディー語(サンスクリット語)、ベトナム語、ブルガリア語、グルジア語」。
ジャズトランペット奏者ルイ・アームストロング(Louis Armstrong)の「What A Wonderful World」(この素晴らしき世界、1967年、アルバム『What A Wonderful World』1968年)が生まれた背景にはベトナム戦争があったことを踏まえると、「愛」の連呼やベトナム語の挨拶も入っている意味が深まります。
- 歌詞:歌ネット
【5】My One And Only Piano
「My One And Only Piano」はベース&ドラムの野太いリズム隊やエフェクトの効いたコーラスに、タイトルどおり唯一無二の美しいピアノが映えるインストです。
【6】いかれたBaby
フィッシュマンズ(Fishmans)の5thシングル「いかれたBaby」(1993年6月18日、3rdアルバム『Neo Yankees’ Holiday』1993年7月21日)の強烈なカバー。
個人的に、このアルバムで「逃飛行レコード」と一二を争うほどお気に入りのもうひとつの楽曲が「いかれたBaby」です。
カバーなので作詞・作曲したのはフィッシュマンズのボーカル&ギター佐藤伸治さんでKan Sanoさんではありませんが、サウンドはもちろん歌詞もアルバム全体の流れにすっぽりハマる構成になっています。
冷静に考えても、コロナ禍に戦争が重なるという恐ろしく「悲しい時代」に生きている私たち。
1曲目「I MA」に出てきた「目にうつるものすべて=現実」がどん底のときは、たとえば「愛」や「音楽」のような「見えない力」が救いになります。
ラブソングとしては「君=恋人など大切な人」ですが、音楽賛歌と捉えるとやはり「君=音楽」でしょう。
「星空のもとで君が投げた魔法」は後々効いてきます。
「クレイジーな僕がクレイジーな君に、キスを投げてほしがる恋愛物語」にも続きがあります。
「夜のスキマ」は「素敵→スキマ→キス」と「いかれた」韻を踏んでいるようでもあり、2曲目「image」の「音符のあいだ」、3曲目「Tokyo State Of Mind」の「バイパス」、4曲目「逃飛行レコード」の「ヴァイナルの溝」などが重なるかもしれません。
これほど「悲しい時代」にクレイジーな気分にならないほうがおかしいと言いたげなサウンドアレンジに悶絶しつつ、楽曲をまたいで回収される歌詞にも戦慄が走るので、続きをどうぞ。
- 歌詞:歌ネット
【7】Play Date feat. ともさかりえ
「Play Date」はともさかりえさんとのデュエットによる4つ打ちファンク。
「円盤」のようにぐるぐる「まわり続ける」なか、1曲目「I MA」2曲目「image」4曲目「逃飛行レコード」のどうにか「前向き&上向き」に進もうとする姿勢がよみがえってきました。
「最高の飛距離」は「世界中ひとっ飛び」に通じるところがあります。
「こんな日」は平時だと「別れ」になりそうですが、非常事態が続いているので恋人や友だちなど親しい間柄でもなかなか「会えない、遊べない」状態が当てはまるかもしれません。
ライブハウスやクラブ、野外で、何も考えず自由に踊り倒していた日々が懐かしいですね。
「会えない、遊べない」ストレスがたまり、クレイジーな気分に耐えきれず「壊れる」くらいなら、制限に従いながらでも「想像」だけでも、外に出るほうがいいでしょう。
この「壊れる前に~」の部分が、6曲目「いかれたBaby」のアンサーになっていると「想像」すると背筋がゾワッとします。
タイトルの「Play Date」は「遊びの約束」という意味。
「Date」は「デート」ではなく「日付」のことですが、女優でもあるともさかりえさんとのデュエットソングなので、「いかれたBaby」の「クレイジーな僕と君が、愛を確かめ合おうとする物語」を演じているような雰囲気も漂います。
「出口の見えない」非常事態が日常になりつつあっても、どん底状態には戻らず、少しずつでも「前向き&上向き」に進む約束ができるといいですね。
- 歌詞:歌ネット
【8】Make It Better
老舗の和菓子店・榮太樓總本鋪の飴(あめ)専門ブランドあめやえいたろう(Ameya Eitaro)が展開していた(販売終了)スイートダイヤモンドのCMソング「Make It Better」。
英語詞を和訳すると「真夜中にダンサーを待っている。真夜中に見知らぬ人のために歌っている。きっといい状況になるよ」といったところでしょうか。
不透明な先行きを心配するより、「後は良くなるしかない」と達観するほうが気は楽になるかもしれません。
- 歌詞:歌ネット
【9】Good Sign
「Good Sign」はジャズとファンクの要素が詰まった大人っぽいインスト。
【10】Natsume
バカリズムさん原案・脚本・出演のドラマ『住住』シーズン3(2021年4月~6月)の主題歌「Natsume」(デジタル:2021年4月28日→7インチシングルレコード:2021年8月25日)は、ミニマルなビートが軽快なポップチューン。
Kan Sanoさん初のドラマ主題歌ですが、非常事態でもあり、「絶対なんてないよ」という天の声が聞こえたことにして、1曲目「I MA」にも込められていた「本音」路線を繰り広げると宣言しています。
つまり、ドラマの役柄目線で内容に寄り添う王道ではなく、独自の歌物語ということ。
ただし、2曲目「image」から脈々と紡がれてきた「風の時代」らしい斬新な「想像」は、バカリズムさんやオードリーの若林正恭さんらが本人役で出演する日常ドラマのシュールな笑いとも相性がいいでしょう。
4曲目「逃飛行レコード」で「月の裏側」まで飛び、「円盤」も登場していたので、マレイ・ラインスターのSF小説『第五惑星から来た4人』(1959年)を彷彿とさせる唐突な展開にもどうにかついていけるはず。
MVで描かれている部屋には、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の11thアルバム『Heroes / 英雄夢語り(ヒーローズ)』(1977年10月14日)のポスターが飾られていて、初主演のSF映画『地球に落ちて来た男』(1976年)も「想像」できます。
「時空が歪む」は「I MA」や「逃飛行レコード」で丁寧に語られてきたことをズバッと言いきったSF的表現。
「素敵なこと具現化しよう」は「逃飛行レコード」の「あり得ないもの目の前に」とつながります。
ドラマ主題歌としてはふさわしくない(誰のためにもならない)かもしれないけれど、アルバムの表のテーマでもあるラブソングとしての結末に導こうとしているようです。
「いかれたBaby」の「星空のもとで君が投げた魔法=素敵→スキマ→キス」が効いてきて、「クレイジーな僕がクレイジーな君に、キスを投げてほしがる恋愛物語」の続きが描かれているのかもしれません。
たしかに「キスの中には好きの火種が混ざっている」のではないでしょうか。
「キス」は言えるのに「好き」とは言えないところが、夏目漱石さんの名言「月が綺麗ですね=I love you」と重なります。
そう、タイトルの「Natsume」は夏目漱石さん。
ドラマでも執筆活動に勤しむバカリズムさんから作家を「想像」したのでしょう。
「風の時代」的かつSF的な「第六感」を働かせるなら、コロナ禍だから「会えない」と泣き寝入りするのはやめて、「夢のような音楽がある現実」を充実させようとしている気がします。
「ドラマ主題歌らしくないほうを選ぶのはKan Sanoさんらしい」とうなずいている人も多いはず。
「見ているのは月ではなく君」で「言えないのは月ではなく好き」とすればラブソングらしい結末になりますが、Kan Sanoさんらしさを貫くなら「見ているのも綺麗なのも音楽」で「会いたいのはライブの観客」でしょう。
コロナ禍の「いま言いたい本音」が「月の裏側」から見え隠れしていたのではないでしょうか。
- 歌詞:歌ネット
【11】おやすみ
ジャズスタンダードっぽいノスタルジックな「おやすみ」。
「素晴らしきこの世界」は「サッチモ」の「What A Wonderful World」のようですね。
ただし、すべてはリスナーの「想像」に委ねられていて、Kan Sanoさん自身は「何も言っていない」のかもしれません。
10曲目「Natsume」は不眠のとき口にすることもある生薬の「ナツメ」ではないかとも「想像」しましたが、「眠れない」のであれば違うのでしょう。
「オヤスミ=カタカナ」と「おやすみ=ひらがな」という表記の違いに込められた意味など、考えすぎると3曲目「Tokyo State Of Mind」のような深みにハマる恐れもあるので、この辺で。
孤独な子守歌に寄り添いながら眠りましょう。
- 歌詞:歌ネット
おわりに
とくにお気に入りの4曲目「逃飛行レコード」と6曲目「いかれたBaby」のどちらかをピックアップしようかとも考えたのですが、歌詞がつながっていると知り、「想像」が止まらなくなりました。
もちろん個人の「想像」にすぎませんので、参考程度にお楽しみください。
ただ、サウンドも含め、時間と空間の流れを楽しむのが醍醐味のアルバム作品なので、楽曲単位の「単曲聴き」より、アルバム単位で全体を通して聴く「アルバム聴き」をおすすめします。
さらに「想像」をふくらませることも、何も考えず音に浸ることもできるのではないでしょうか。
ぷにぷに電機×Kan Sano「ずるくない?」
Shin Sakiura「旅の途中 feat. Kan Sano」
素敵なコラボ作も多数あるので、ディグってみましょう!
リンク
- Wikipedia、AllMusic、Discogs
- Website:Kan Sano、note、origami PRODUCTIONS、origami STORE
- Twitter、Instagram、Facebook
- Link:Tokyo State Of Mind、Natsume
- YouTube:Kan Sano、Tokyo State Of Mind
- Tower Records:Kan Sano、Tokyo State Of Mind、通常盤CD、限定盤CD、Natsume、7インチ
- Spotify:Kan Sano、Tokyo State Of Mind
- Apple Music:Kan Sano、Tokyo State Of Mind
- SoundCloud、Bandcamp、Myspace
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