VivaOla(ビバオラ)は1998年韓国生まれ、東京育ちのR&Bシンガーソングライター(以下SSW)兼プロデューサーです。
音楽ファンが注目するポイントは次の通り。
・R&Bを軸にヒップホップ、ジャズ、クラブミュージックなど多様な音楽性
・ディアンジェロのように伸びやかなファルセット(裏声)
・音楽とアートのコレクティブSolgasa(ソルガサ)の一員
この3点を踏まえつつおすすめ曲を紹介していきますが、そのまえに謎が多いVivaOlaの経歴についてまとめました。
VivaOlaのバイオグラフィ
VivaOlaの両親はもともと東京で暮らしていましたが、出産のときだけ韓国に行き、すぐ東京に戻ったそうです。
小学校低学年でピアノを習い、中学から高校にかけてギター、ベース、ドラム、テナーサックスの演奏技術を身につけたVivaOla。
インターナショナルスクールを経て、都立高校在籍時に作曲を始めます。
iPhoneの音楽制作アプリGarageBand(ガレージバンド)でヒップホップのトラックを作り、本名で音楽配信サービスSoundCloud(サウンドクラウド)にアップするスタイル。
日本の大学1年次にUCLAの留学プログラムを受け、MacとLogic(ロジック)によるDTMを学び、2017年夏プロになることを決意しました。
2018年秋アメリカ・ボストンのバークリー音楽大学に留学し、ソングライティングを専攻。
留学中の2018年冬にVivaOlaを始動させ、2019年5月に1st EP『Bloom』をリリースします。
高校の同期Wez Atlas(ウェズ・アトラス)、その大学の仲間michel ko(ミケル・コー)、Tommi Crane(トミー・クレイン)と4人でSolgasaを結成したのは2019年夏。
2020年夏の2年次に1年間の予定で休学、帰国し、日本での音楽活動を本格化させました。
そんなVivaOlaのおすすめ曲がこちらです。
シングル
まず2021年5月時点でアルバムなど未収録のシングルから紹介します。
【1】NEO EGO
「NEO EGO」(2021年3月リリース)はJua(ジュア)、Wez Atlasとのコラボ曲。
民族音楽のように歯切れがいいパーカッションビートと、アーバンでメロウなジャズっぽい鍵盤の対比が特徴的なトラップです。
VivaOlaの哀愁を帯びたボーカルと2人のラップが冴え渡ります。
【2】If You Let Me
スペイン語で「夜行性」を意味する、2曲入りシングル「nocturnalis」(2020年12月)。
その2曲目「If You Let Me」は1曲目「Soulmate (Outro)」からつながる切ない恋物語が描かれています。
口笛や鍵盤の音色、パーカッションビートが印象的に響くジャジーなナンバーです。
【3】The Artist (feat. Tommi Crane)
SolgasaのTommi Craneを迎えた「The Artist」(2020年7月)。
ブレイクビーツに乗って、アーティストとしての在り方が発信されています。
VivaOlaとTommi Crane、それぞれのボーカルとラップのスムーズな展開がお見事です。
1stミニアルバム『STRANDED』収録曲
モダンなチルアウトが心地いい1stミニアルバム『STRANDED』(デジタル:2020年6月、CD・LP:2020年12月)。
デジタルとLPは全7曲、CDのみボーナストラック2曲が追加され、全9曲収録されています。
タイトルの『STRANDED』とは「座礁した、立ち往生した、足止めされた」といった意味です。
全体的に孤独感が漂います。
【4】Runway
『STRANDED』のリード曲かつ先行シングル「Runway」(2020年5月)は、R&Bとハウスの融合を堪能できるVivaOlaの代表曲。
VivaOla「Runway(ZIN Remix)」
R&BとソウルのSSW、ZINによるリミックス(2020年10月、CD収録)も味わい深いです。
【5】Tokyo Syndrome
「Tokyo Syndrome」はWez Atlasとのコラボ曲。
東京的症候群
プラシーボと誤魔化して
恥も外聞も外苑に放り捨てる
Tokyo Syndrome/作詞:Janghee Han、Rei Nishiyama 作曲:Janghee Han
「外苑」という言葉が耳に残りやすいものの、韻を踏んでいる「外聞」のほうが注目ワード。
なぜならこの曲のテーマは「平和ボケした日本」だからです。
耳なじみのいいサウンドですが、さりげなくピリッと緊張感が漂うメッセージになっているところがおしゃれ。
ビートは世界的に主流となっているトラップではなく、Wez Atlasのルーツともいえるサンプリングが主体のブーンバップになっています。
【6】One of these nights (feat. Jua)
MONDO GROSSO(モンド・グロッソ)を脱退後、瘋癲(ふうてん)のMCなどで活躍するB-BANDJ(ビーバンジー)。
その息子Juaを迎えた「One of these nights」。
スウィングビートに軽快なメロディとヒップホップを掛け合わせる「ニュージャックスウィング」の手法が取り入れられています。
ネオソウルのリバイバルブームも取り入れているところがお見事。
【7】Even After All
シングルとしてもリリースされた「Even After All」(2020年2月)。
コラボが多いVivaOla初めてのソロ曲、エモーショナルな失恋ソングです。
壮大なサウンドとポップなメロディに魅せられます。
【8】On My Side (feat. Thomas Ng)
「On My Side」(2019年12月)はイギリス生まれ、香港育ちのR&B SSW兼プロデューサーThomas Ngとのコラボ曲。
Would it make a difference
if I was a better looking man?
Like D’Angelo
D’Angelo
On My Side (feat. Thomas Ng)/作詞:Janghee Han、Thomas Alan Ng 作曲:Janghee Han、Thomas Alan Ng
「もし自分がディアンジェロのように格好よかったら…」と想像し、親友にそばにいてほしいと願う友情ソング。
レゲトンを意識したアフロビートが軽やかです。
【9】Vise le haut
Jua、Wez Atlasとのコラボ曲「Vise le haut」(2019年10月)はフランス語で「トップをねらえ」という意味。
日本語、英語、フランス語混じりの掛け合いラップとVivaOlaのハイトーンボーカルの組み合わせが絶妙です。
Vise le haut(starRo Remix)
2017年グラミー賞リミックス部門にノミネートされた日本のプロデューサーstarRo(スターロー)によるリミックス(2020年12月、CD収録)はファンキーなアフロトラップに仕上がっています。
■1st EP『Bloom』収録曲
全5曲の1st EP『Bloom』は2019年5月にリリースされました。
【10】Indie (feat. Itsumi)
女性シンガーItsumiを迎えたリード曲「Indie」。
2人の艶っぽいボーカルに彩られたチルアウトです。
■最後に
VivaOlaのおすすめ曲を紹介しました。
リスナーとしてはロック、とくにONE OK ROCKを好みながらも、自身の繊細な声質を活かしてR&Bの道を究めることにしたVivaOla。
ファルセットやウィスパーボイスが特徴的なアメリカのR&B SSWディアンジェロをリスペクトしています。
アンダーソン・パークともコラボした、韓国のR&B SSW、DEANにも注目するなど音楽センスも卓越。
VivaOlaはもともと繊細な声質にあまり自信がなくコラボが多かったようですが、活かし方を身につけソロでもコラボでも良さが発揮されています。
ボーカル、DTM、楽器演奏、音楽理論と知識に長けた逸材として人気を博すことでしょう。
■VivaOla
・HIP LAND MUSIC:https://www.hipland.co.jp/artists/artist.php?cd=145
・FRIENDSHIP.:https://friendship.mu/artist/vivaola/
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■Solgasa
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