音楽

MON7A(もんた)「おやすみTaxi」歌詞の意味を考察!今日好き出演でバズり中の現役高校生アーティスト

MON7A(読み方:もんた)さんは現役高校生アーティスト。
NON STYLE(ノンスタイル)の井上裕介さんらがMC(恋愛見届け人、司会進行役)を務めるABEMAの恋愛リアリティ番組『今日好き』こと『今日、好きになりました。』に出演し、話題になりました。
そのMON7Aさんのアーティストデビュー曲「おやすみTaxi」の歌詞の意味を考察、解説します。

MON7A(もんた)とは

MON7A(もんた)さんは東京都出身、2007年7月6日生まれ、身長177cmのアーティスト。
高校3年生でABEMAの恋愛リアリティ番組『今日、好きになりました。ハロン編』(2025年6月16日〜7月14日)に出演し、その際の名前はもんた(藤永紋太)さんでした。

アーティスト名はアルファベットの「T」を数字の「7」に置き換えていますが、これはLeet(リート)やLeetspeak(リートスピーク)と呼ばれるアルファベットの表記法です。
ピアスの数が7個など、7はMON7Aさん自身のラッキーナンバーとのこと。
短髪ツンツンヘアー(スパイキーショート)が目に留まりますが、高校に入るまでは肩につくぐらいのロン毛(ウルフカット)だったそうです。

中学生くらいからオリジナル楽曲の制作を始め、高校で軽音楽部に所属しましたが、3年生になり部活を引退しました。
楽曲制作のスタイルは詞先。
歌詞をためておき、ギターで歌詞を弾き語ります。

MON7A「僕のかわい子ちゃん」


『今日好き』では「僕のかわい子ちゃん」というオリジナル楽曲を披露しましたが、2025年8月7日に「おやすみTaxi」をリリースし、アーティストデビューを果たしました。

そのアーティストデビュー時点で事務所には所属していませんが、「現状維持は退化」をテーマに、東京ガールズコレクション(マイナビ TGC 2025 A/W:2025年9月6日@さいたまスーパーアリーナ、TGC 北九州 2025:2025年10月11日@西日本総合展示場新館)にゲスト出演するなど、さまざまな活躍が期待されています。

MON7A「おやすみTaxi」ミュージックビデオ・Music Video・MV・PV・YouTube動画

【MON7A】「おやすみTaxi」Music Video Behind the Scene

おやすみTaxi 弾き語り

恋愛リアリティ番組『今日、好きになりました。ハロン編』概要

ABEMA(アベマ)製作・配信の恋愛リアリティ番組『今日、好きになりました。ハロン編』は第72弾として2025年6月16日〜7月14日に全5回で放送されました。
MON7Aさんは高校3年生の藤永紋太さんとして出演。

ベトナム・ハロン市で男子5人・女子5人が2泊3日の旅(運命の恋を見つける恋の修学旅行)をして、最終日にカップルとして成立したら旅は終了、カップルになれなかったメンバーは次の旅を続けるかどうか選べる(今回最終日に告白するのは女子)という企画です。

MON7Aさんは「もんひな」として第71弾(マクタン編)からの継続メンバー・ひな(長浜広奈)さんとの関係が話題になります。
MC(恋愛見届け人、司会進行役)は井上裕介さん(NON STYLE)、かすさん、大友花恋さん、中川大輔さんの4人でした。

MON7A「おやすみTaxi」歌詞の意味を考察

曲の構成

  • 1番:イントロ(Aメロ)~Aメロ~Bメロ~サビ(Cメロ)
  • 2番:Aメロ~Bメロ~サビ(Cメロ)~ラスサビ(Bメロ)~アウトロ(Aメロ)

1番Aメロ:タクシーしか乗らない人への憧れ

ね Taxi
戻って
ここじゃない new town
目指して

ね Taxi
戻って
ここじゃない new town
目指して
さよなら highway
飛ばして
昼を淘汰して
星を全部攫って

おやすみTaxi/作詞:MON7A 作曲:MON7A

アーティスト名にゲームのハンドルネームなどに用いられるリート表記を取り入れている点や7個もピアスを開けているところが、高校生らしからぬ雰囲気を醸し出しているMON7Aさん。
楽曲制作は曲先ではなく詞先とのことで、歌詞ありきの曲作りになりますが、ローファイヒップホップ的なチルいサウンドもまた高校生らしからぬ大人っぽさといえるでしょう。

何より「おやすみTaxi」という曲名で、タクシーに乗って新たな街を目指す物語が描かれていますが、「高校生は日常的にはタクシーに乗らないのでは?」と思った人も多いかもしれません。
初めてラジオ番組に出演した際、MON7Aさんは「逆に高校生でなじみがないから憧れの乗り物。タクシーしか乗りませんみたいな人になりたい」と発言しています。

1番Bメロ:5つ打ちのジャージークラブ

なにも後悔しない
ただ単純に
後ろ 妄想しないで まっすぐ
聴けば 無問題
次の街でリベンジ

おやすみTaxi/作詞:MON7A 作曲:MON7A

歌詞が先とのことなので「後悔しない、妄想しない、無問題(モーマンタイ)」と3段落ちのように韻を踏むところから発想したのでしょうか。

「無問題(モーマンタイ)」は中国語(広東語)。
『今日好き ハロン編』の舞台はベトナム・ハロンでしたが、香港やマカオなど、新たな街で「リベンジ=再挑戦、継続(出演)」するような物語も想像できるかもしれません。

1番・2番とも、Bメロとサビが5つ打ちのジャージークラブになっています。
TikTok(ティックトック)で流行るような曲作りをして、実際にバズったから良かったというMON7Aさん。
もしかしたらCreepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」や「オトノケ」を意識したのかもしれません。

1番サビ:転んでも止まっても次を夢見る

味わうべく次へ 続いて
転がるまま飛ばせ 生涯
ここでいいとか それじゃ一辺倒
月明かり 夢見て おやすみ
連なるライト 無敵で 走ろう
風切り 浮かれそう クラクション!
それでいい 転んでも 止まっても
次で 良い夢見て おやすみ

おやすみTaxi/作詞:MON7A 作曲:MON7A

「ここでいい」や「それでいい」のリズム感で「次で良(い)い、夢見ておやすみ」と小節をまたぐ歌詞の譜割りなど、R&Bやネオソウルといったブラックミュージックを好むJ-POP層に響きそうなセンスが光ります。

「一辺倒」(いっぺんとう)の「ぺん」で息を抜く歌い方は鼻腔共鳴(びくうきょうめい)なのかブレスアウトなのか、いずれにしても息を抜きすぎ(やりすぎ、エモすぎ)のような気もしつつ、離れた位置の「2番サビ」で韻を踏む伏線になっているところが秀逸です。

経験を重ねた大人のアーティストなら熟考してやらないことにも、感覚でチャレンジしているようなフレッシュさも漂います。
これが転んでも止まっても次を夢見ることのできる若さなのかもしれません。

2番Aメロ:いつかは戻る現在地

ね Taxi
走って
ここじゃまだ終われない
気がして
ビル追いかけて
転んで
いつかはここへ
戻ってみるから

おやすみTaxi/作詞:MON7A 作曲:MON7A

MON7Aさんは「現状維持は退化」というテーマを掲げています。
「1番Aメロ」では「ここではない新しい街を目指して、戻って」とタクシーに頼んでいました。
「2番Aメロ」では「いつかはここへ戻るから(今は)走って」とタクシーにお願いしています。

「ここ」というのは「おやすみTaxi」をリリースし、アーティストデビューを果たした現在地を表しているでしょう。
音楽活動を重ねた後に、いつかは原点回帰するときも訪れると思われますが、今はこれから失敗することがあっても高みを目指して(ビル追いかけて転んで)前進するのみという覚悟が感じられます。

2番Bメロ:眠れない夜に光る歌声

生きる まだ寝れない
この世界で
いつか みんな眠りにつくなら
光る 街の上
日が昇るまでに
残る影に

おやすみTaxi/作詞:MON7A 作曲:MON7A

「生きる、光る、残る」で韻を踏む、優しい歌声に癒されます。
高校生のMON7Aさんは夜更かしせず早く寝たほうがいいはずですが、「残る影」のように眠れない人がいるなら「街の上で日が昇るまで光る」存在となって歌ってくれるのでしょう。

2番サビ:鋭利なビルなどの言葉選びが秀逸

飽くべくあの街へ 続いて
そのまま身を壊せ 生涯
ここでいいとか なにをいってんの
突き当たり よそ見して おやすみ
群がる 光の先 鋭利なビル
暗闇 手を伸ばす 勝敗
どうでもいい 転んでも 止まっても
次で 良い夢見て おやすみ

おやすみTaxi/作詞:MON7A 作曲:MON7A

「1番サビ」の「一辺倒」(いっぺんとう)と韻を踏んでいるのが、「2番サビ」の「(なにを)いってんの」。
文字どおり「何を言っているの?」というくらい韻が畳みかけられています。

「生涯、勝敗」や「ここでいい、どうでもいい、次で良(い)い」だけでなく、「突き当たり、よそ見、光の先、鋭利(えいり)、暗闇」など、すべてが「おやすみ」につながる母音「い」の脚韻でした。

「飽くべく、群がる、ビル」など母音「う」の脚韻もあるので、リズム感や響き、意味も踏まえるととくに「鋭利なビル」という言葉選びのセンスが秀逸です。

2番ラスサビ:今日好き出演だけでは終わらない

さらば NEXT
味わうべく 次へ
飛ばして
転がるまま 続け
さらば NEXT
夢見たほうがいいね
目指して
この街続く街

おやすみTaxi/作詞:MON7A 作曲:MON7A

カップルになったら旅は終わるものの、成立しなかったらどこか次の街で旅を続けてもいいし、継続しなくてもいい『今日好き』。
乗り物はタクシーというよりバスや船のイメージですが、「夢を見て次の街を目指す」というコンセプトは「おやすみTaxi」にも通じるところがあるのかもしれません。

「2番ラスサビ」の後に「ね Taxi」と2回繰り返すアウトロがあり、Aメロに戻るような循環的な構成になっています。
この構成をタクシーに「戻って」とお願いしていた伏線回収と解釈すると、音楽的なおもしろさが増すのではないでしょうか。

『今日好き』出演だけで終わることなく、むしろこれからの飛躍が楽しみなMON7Aさんのアーティストデビュー曲でした。

おわりに


高校生らしからぬ大人っぽさと若さゆえの予測不能さを併せもつMON7Aさん。
「現状維持すら大変」と実感する世代にはまぶしいファンタジーに映る側面もありますが、だからこそ叶えられる夢もありそうです。
「おやすみTaxi」に続く2ndデジタルシングル「HEA7EN」は2025年9月7日リリース。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)ハロウィーン・ホラー・ナイト『ゾンビ・デ・ダンス』のテーマソングはKing Gnu(キングヌー)の「SO BAD」(2025年9月5日リリース)ですが、そのUSJ「ユニハロ」コンセプトムービーにMON7Aさんがカメオ出演しています。
「もんた界隈」も流行りそうですね。
今後の活躍に期待しましょう。

ABOUT ME
渡辺和歌
ライター / X(Twitter)
RELATED POST