音楽

AKASAKI(アカサキ)「Bunny Girl / バニーガール」歌詞の意味を考察!高校生歌手の人気曲、TikTokやYouTubeで話題

高校生シンガーソングライターAKASAKI(アカサキ)さんは、4thシングル『Bunny Girl』(バニーガール)配信リリース(2024年10月2日)時点で18歳の高校3年生。ギターの弾き語りなど、オリジナル楽曲の制作模様がTikTokでバズり、YouTubeでもミュージックビデオが人気ランキングの上位を記録。同世代の若者からプロの音楽関係者まで、幅広く注目を集めている若手のホープです。そんなAKASAKIさんの4thシングルのタイトル曲「Bunny Girl」の歌詞の意味を考察します。

AKASAKI(アカサキ)とは?

AKASAKI(アカサキ)さんとは4thシングル『Bunny Girl』配信時点で18歳、愛知県の工業高校3年生のシンガーソングライター。2024年10月時点でWikipedia(ウィキペディア)はなく、本名や誕生日などのプロフィールや概要は不明ですが、本人のSNSなどから2006年7月27日生まれ?と推測されます。

16歳で音楽活動を始め、2023年9月20日からTikTokにギターの弾き語りなどのオリジナル曲を投稿するようになり、「誰?」と注目を集めました。1stシングル『弾きこもり』(2024年4月24日)からSNS、サブスクでバズり中。

作詞家&プロデューサーのいしわたり淳治さん(元SUPERCARのギタリスト)は2ndシングル『波まかせ』に注目し、新たなアーティストの登場に心を躍らせています。
https://twitter.com/akasaki_0727/status/1834494501509103928
4thシングル『Bunny Girl』(バニーガール)については、安田大サーカスのクロちゃんがX(Twitter)のポスト(2024年10月5日)で「えぐいねー。めっちゃ好き。高校3年生なんだね。才能えぐい。懐かしいような涙腺崩壊な楽曲」と絶賛。


広瀬香美さんは「歌詞が心にスッとくるのは音と音に隙間があるからかな。聞いていて心地よい。応援してます」とポストしました(2024年10月12日)。


2024年10月18日に東京・渋谷で行った路上ライブの模様はテレビ番組でも取り上げられ、二次創作やカラオケでも人気を博しています。

AKASAKIのディスコグラフィ

  • 1st SG『弾きこもり』2024/04/24、AKASAKI
  • 2nd SG『波まかせ』2024/07/03、AKASAKI
  • 3rd SG『夏実』2024/09/18、AKASAKI
  • 4th SG『Bunny Girl』2024/10/02、AKASAKI
  • 5th SG『今夜は君と』2024/11/04、AKASAKI

【AKASAKI】Bunny Girl / バニーガール(Lyric Video)ミュージックビデオ・MV・PV

【AKASAKI】Bunny Girl / バニーガール – Acoustic Boat 1st take

【AKASAKI】Bunny Girl – Natural(Music Video)

AKASAKI「Bunny Girl」歌詞の意味を考察

  • 1番:Aメロ~Bメロ~サビ(Cメロ)
  • 2番:Dメロ~Aメロ~サビ(Cメロ)

頭サビ:昭和の歌謡曲とボカロの融合

夜の始まりさ Bunny Girl 誘惑される鼓動に
弾け飛ぶ葛藤に愛を乾杯 伝えられなくても
恋の始まりさ Bunny Girl 誰かを穿って
澄んだ君の目を 孕んで

Bunny Girl/作詞:AKASAKI 作曲:AKASAKI

「Bunny Girl」は昭和の歌謡曲を彷彿とさせる歌詞とサウンドが印象的です。AKASAKIさんがオリジナル楽曲をTikTokに投稿するようになったのは、両親に高校卒業後の音楽活動を認めてもらうためとのこと。

「ご自由にカバー投稿して下さい!」とミュージックビデオのYouTube概要欄に二次創作データの共有リンクを貼っているのも、拡散やヒットを狙い、両親に認められ、音楽の道に進みたい意志が感じられます。

ギターの弾き語りそのものはフォーク的なスタイルですが、DTMで音楽制作し、TikTokや二次創作可能という拡散手段を用いるところはボカロPに近いといえるでしょう。ミュージックビデオがアニメという手法なのもボカロ的ですが、アニメのテイストそのものは昭和のカラオケ風。

AKASAKIさん本人は10代の若者なのでDTMやボカロ文化の影響を受けるのは自然な流れと思われますが、音楽活動を始めたのがコロナ禍の最中だったことも影響しているのかもしれません。

いずれにしても1stシングルの曲名のような「弾きこもり」スタイルを確立したことで、新旧入り混じった音楽性となり、若者は新しさを感じ、大人は懐かしさを覚える効果が生まれました。

さて、「バニーガール(私)が客(君)に誘惑されて孕(はら)む」ドロドロの恋愛物語のようでもあり、そうでもなさそうな頭サビ。1番のサビも同じ歌詞なので、ひとまず解釈を保留して、次に進みましょう。

1番Aメロ:バニーガールになりきって誘っている?

さあ キザなステップを刻んで
仕事帰りの疲れは 私と、このグラスに
さあ 自分好みに縋って
世間に対する気持ち 私に注いでみない?

Bunny Girl/作詞:AKASAKI 作曲:AKASAKI

バニーガールが働く場所といえばカジノ、ナイトクラブ、ガールズバー、コンセプトカフェなどでしょうか。あるいはレースクイーンやイベントコンパニオン、仕事とは無関係のコスプレなども考えられます。

ただ、AKASAKIさんはこの曲の配信時点で18歳の高校3年生なので、お酒を提供するお店には行ったことがないはず。また、AKASAKIさんは男性、バニーガールは女性ですが、語り手の「私」と登場人物の「君」は誰を指しているのか、わかりにくくなっています。

まず、1番のAメロは「バニーガールである私が、客の君に対して、仕事帰りの疲れや世間に対する気持ちを私に注いでみないかと誘っている」と解釈できそうです。

ところが、ここで思い出されるのが、頭サビの「誘惑される鼓動」という歌詞。いったい誰が誰を誘っているのか、逆に誰が誰に誘われているのか、混乱してきます。

そこでヒントになりそうなのが、頭サビの「誰かを穿(うが)って 澄んだ君の目を 孕(はら)んで」です。これを「誰かをまとって、澄んだ君の目を宿して」と解釈すると、「AKASAKIさんがバニーガールという存在そのものに誘惑されて、バニーガールである君になりきる」という意味になるのではないでしょうか。

そのうえで再び1番のAメロに戻ると「バニーガールになりきったAKASAKIさんが、客の君(バニーガールを含むリスナー)に対して、疲れや気持ちを私に注いでみないかと誘っている」ことになりそうです。「ダンスホール」で女性ダンサーになりきった尾崎豊さんのようなイメージなのかもしれません。

さらに「自分好みに縋(すが)って」も「自分好みのバニーガールにしがみついて」というより「自分好みのバニーガールになりきって」と解釈すると、AKASAKIさん自身だけでなくリスナーにもバニーガールになりきることを促している雰囲気も漂います。

1番Bメロ:愛に汚れても手を差し伸べて

ありがちなラブソングでも 愛が込められてるの
それでも汚れるのね 君を見れば分かるの
下を向く君の目を 無理矢理剥ごうとはしない
だからそんな顔せず手を差し伸べて
ほら

Bunny Girl/作詞:AKASAKI 作曲:AKASAKI

結局、AKASAKIさん自身がバニーガールになりきり、バニーガールの君をなぐさめている感じがします。「澄んだ君の目を 孕んで」と呼応する「下を向く君の目を 無理矢理剥(は)ごうとはしない」は「バニーガールになりきったままでいる」と受け取れそうです。

1番サビ:なりきりバニーガールが伝えたい愛

夜の始まりさ Bunny Girl 誘惑される鼓動に
弾け飛ぶ葛藤に愛を乾杯 伝えられなくても
恋の始まりさ Bunny Girl 誰かを穿って
澄んだ君の目を 孕んで

Bunny Girl/作詞:AKASAKI 作曲:AKASAKI

AKASAKIさん自身はバニーガールの格好をしたこともなければ会ったこともないでしょう。それでもイメージを膨らませ、「澄んだ目をしたバニーガールに恋するあまり、バニーガールになりきるラブソング」を作ったと考えられます。

ストレートにバニーガールに恋した男性目線の設定にはなっていないので、「伝えられなくても」という但し書きのような歌詞が含まれているのではないでしょうか。AKASAKIさん自身が想像上のバニーガールに誘われてバニーガールになりきり、バニーガールのようなリスナーにどうにか愛を伝えようとしている感じがします。

2番Dメロ:エモいラブソングがちょうどいい?

君の愛を知った気で ハイになっていて
感度去っていて 毎度泣いていてさ
それくらいがいいんでしょ

Bunny Girl/作詞:AKASAKI 作曲:AKASAKI

メロディーラインが変化球になるパートです。「愛、ハイ」「知った気で、去っていて」「感度、毎度」「なっていて、泣いていて」と韻を踏みまくり、「それくらいがいいんでしょ」と冷めたセリフでしめくくるところが渋いです。

バニーガールの愛を知った気になって感情的に高まったり冷静になったりしつつ、あるいはヒップホップのラップみたいなパートを盛り込んでも、結局は泣けるラブソングがちょうどいいのだろうと淡々と歌っている感じがします。

2番Aメロ:顔色がマシになった君は誰?

さあ キザなステップを刻んで
君の顔色今では マシになってきてるから

Bunny Girl/作詞:AKASAKI 作曲:AKASAKI

バニーガールになりきったAKASAKIさんが、バニーガールの君をなぐさめるラブソングを淡々と続けた結果、バニーガールに見立てたリスナーの顔色がマシになってきたというストーリーではないでしょうか。

2番サビ:ラストに愛を伝えられたはず

君に委ねるわ Bunny Girl

私をあげるわ Bunny Girl 誘惑される鼓動に
弾け飛ぶ葛藤に愛を乾杯 伝えられてるはず
夜の始まりさ Bunny Girl 誰かを穿って
澄んだ君の目を 孕んで

Bunny Girl/作詞:AKASAKI 作曲:AKASAKI

「実際のバニーガールが客に誘惑されて身を委ね、尽くしまくって妊娠するけれども結婚には至らない悲恋」のような感じもしますが、そうではないことは「伝えられてるはず」。

ラストの「君に委ねるわ」と「私をあげるわ」で「AKASAKIさん自身がバニーガールになりきり、バニーガールに愛を伝えるラブソング」だったと確認できたのではないでしょうか。

おわりに

「Bunny Girl」のLyric Videoを観ると、仕事帰りの若い男性客がバーでバニーガールに愛を伝える物語(男女の恋愛)が描かれているようです。若い男性客はバニーガールに愛を伝えられたと思って家路につきますが、バニーガールは若い男性客を見送った後、別の年配の男性客につく結末。夜の席で愛を伝えるのは難しいようです。

バニーガールの目はウサギの目のように赤く、若い男性客の目も「君(バニーガール)の目を孕む」ように赤くなっているので、若い男性客目線、バニーガール目線、それぞれにAKASAKIさんが宿ったと解釈しました。どちらの心情やセリフなのかはLyric Videoを観るとよくわかります。

「大御所の作詞家が10代のアイドルにきわどい歌詞のラブソングを歌わせる」という昭和の歌謡曲の手法や尾崎豊さんの実話を元にした女性目線のラブソングを彷彿とさせつつ、オリジナルに仕上がっているところがAKASAKIさんの魅力です。

ジャンルでいうとJ-POPというより歌謡曲。とくにバニーガールが働くナイトクラブで50年代、60年代に演奏されてブームになったムード歌謡を意識したのでしょう。ムード歌謡のバンド形態を間奏のギターで表現し、ムード歌謡に影響を与えたドゥーワップのコーラスを取り入れたと考えられます。

あるいはギターフォークのような懐かしさもありつつ、DTMによる新しさも兼ね備えています。総じてVaporwave(ヴェイパーウェイヴ)的な楽しみ方もできるかもしれません。

Bunny Girl バニーガール/歌ってみた【 P丸様。】


https://twitter.com/p_ma_ru/status/1852969473118224704

【AKASAKI】今夜は君と / Tonight With You(Lyric VIdeo)ミュージックビデオ・MV・PV


4thシングル『Bunny Girl』に続く新曲『今夜は君と』はAKASAKIさんが初めて作った楽曲だそうです。

Vaundyさんやスピッツと並んで好きなアーティストに挙げている寺尾聡さんの「ルビーの指輪」を彷彿とさせると早くも話題になっています。

この5thシングルのリリース(2024年11月4日)時点でレコード会社や事務所、レーベルは未定ですが、今後ますます活躍するでしょう。

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渡辺和歌
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