ロバート・グラスパー(Robert Glasper)の『Black Radio III』(ブラック・レディオ3)は、オーセンティックなブラックミュージックの極み。
ジャズ、ヒップホップ、R&Bを自然の摂理のごとく融合する、音楽理論に基づいた匠の技を堪能しましょう!
Contents
- 1 はじめに
- 1.0.1 マーカス・ストリックランド・カルテット(Marcus Strickland Quartet)
- 1.0.2 ロバート・ハースト、ダミオン・リード、ロバート・グラスパー
- 1.0.3 ロバート・グラスパー・トリオ(Robert Glasper Trio)
- 1.0.4 ロバート・グラスパー・エクスペリメント(Robert Glasper Experiment)
- 1.0.5 スタジオアルバム
- 1.0.6 企画盤
- 1.0.7 EP
- 1.0.8 サウンドトラック
- 1.0.9 日本独自企画盤
- 1.0.10 ブルーノート・オールスターズ(Blue Note All-Stars)
- 1.0.11 R+R=NOW
- 1.0.12 オーガスト・グリーン(August Greene)
- 1.0.13 ディナー・パーティー(Dinner Party)
- 2 【1】In Tune (feat. Amir Sulaiman)
- 3 【2】Black Superhero (feat. Killer Mike, BJ the Chicago Kid & Big K.R.I.T.)
- 4 【3】Shine (feat. D Smoke & Tiffany Gouche)
- 5 【4】Why We Speak (feat. Q-Tip & Esperanza Spalding)
- 6 【5】Over (feat. Yebba)
- 7 【6】Better Than I Imagined (feat. H.E.R. & Meshell Ndgeocello)
- 8 【7】Everybody Wants To Rule The World (feat. Lalah Hathaway & Common)
- 9 【8】Everybody Love (feat. Musiq Soulchild & Posdnous)
- 10 【9】It Don’t Matter (feat. Gregory Porter & Ledisi)
- 11 【10】Heaven’s Here (feat. Ant Clemons)
- 12 【11】Out of My Hands (feat. Jennifer Hudson)
- 13 【12】Forever (feat. PJ Morton & India.Arie)
- 14 【13】Bright Lights (feat. Ty Dolla $ign)
- 15 おわりに
はじめに
ジャズピアニストのロバート・グラスパー(1978年4月5日、米テキサス州・ヒューストン出身)はゴスペルシンガーの母親の影響を受けて育ち、高校と大学でジャズを学びつつ、セッションしていたのはヒップホップとR&B、グラミー賞はR&B部門で受賞という経歴の持ち主です。
ヒップホップ(1973年~)やR&B(1940年代~)にジャズ(1900年頃~)をクロスオーバーさせたネオソウル(1990年前後~)に対し、ジャズにヒップホップやR&Bを融合させた立役者となったのは時代的に自然な流れでもあり、それぞれのジャンルに造詣が深く、音楽理論も演奏技術も優れているところが評価されています。
マーカス・ストリックランド・カルテット(Marcus Strickland Quartet)
- マーカス・ストリックランド(Marcus Strickland):ソプラノ&アルト&テナーサックス
- ブランドン・オーウェンズ(Brandon Owens):ベース
- E・J・ストリックランド(E.J. Strickland):ドラム
- ロバート・グラスパー:ピアノ、フェンダーローズ
- カルテット『At Last』2001年7月
- 『Brotherhood』2002年1月
- カルテット『Twi-Life』2006年5月
ロバート・ハースト、ダミオン・リード、ロバート・グラスパー
- ロバート・ハースト(Robert Hurst):ベース
- ダミオン・リード(Damion Reid):ドラム
- ロバート・グラスパー:ピアノ
- 『Unrehurst, Volume 1』2002年4月
ロバート・グラスパー・トリオ(Robert Glasper Trio)
- ロバート・グラスパー:ピアノ
- ロバート・ハースト、ヴィチェンテ・アーチャー(Vicente Archer):ベース
- ダミオン・リード、クリス・デイヴ(Chris Dave):ドラム
ロバート・グラスパー・エクスペリメント(Robert Glasper Experiment)
- ロバート・グラスパー:キーボード、ピアノなど
- ケイシー・ベンジャミン(Casey Benjamin):サックス、キーボード、ボコーダーなど
- デリック・ホッジ(Derrick Hodge):ベースなど
- クリス・デイヴ、マーク・コレンバーグ(Mark Colenburg):ドラムなど
スタジオアルバム
- トリオ『Mood』2004年11月
- 『Canvas』2005年10月
- 『In My Element』2007年3月
- (トリオ&エクスペリメント)『Double-Booked』2009年8月
- エクスペリメント『Black Radio』2012年2月:第55回グラミー賞(2013年)最優秀R&Bアルバム受賞
- エクスペリメント『Black Radio 2』2013年10月→「Jesus Children (feat. Lalah Hathaway & Malcolm-Jamal Warner)」:第57回グラミー賞(2015年)最優秀トラディショナルR&Bパフォーマンス受賞
- トリオ『Covered (The Robert Glasper Trio Recorded Live At Capitol Studios)』2015年6月
- マイルス・デイヴィス(Miles Davis)&『Everything’s Beautiful』2016年5月
- エクスペリメント『ArtScience』2016年9月
- 『Fuck Yo Feelings』2019年12月
企画盤
- インストアルバム『Fuck Yo Feelings (Instrumental)』2020年5月
EP
- エクスペリメント『Black Radio Recovered: The Remix EP』2012年1月
- エクスペリメント『Porter Chops Glasper』2014年1月
サウンドトラック
- マイルス・デイヴィス、V.A.『Miles Ahead (Original Motion Picture Soundtrack)』2016年4月:第59回グラミー賞(2017年)最優秀コンピレーション・サウンドトラック受賞
- 『The Photograph (Original Motion Picture Soundtrack)』2020年2月
- &デリック・ホッジ『Run The World: Season 1 (Music from the STARZ Original Series)』2021年6月
日本独自企画盤
- 『Best of Robert Glasper』2018年1月
- エクスペリメント『Robert Glasper x KAYTRANADA: The ArtScience Remixes』2018年4月
ブルーノート・オールスターズ(Blue Note All-Stars)
- ロバート・グラスパー:ピアノ
- アンブローズ・アキンムシーレ(Ambrose Akinmusire):トランペット
- マーカス・ストリックランド:テナーサックス
- リオーネル・ルエケ(Lionel Loueke):ギター、ボーカル
- デリック・ホッジ:ベース
- ケンドリック・スコット(Kendrick Scott):ドラム
- 『Our Point Of View』2017年9月
R+R=NOW
- ロバート・グラスパー:キーボード、ピアノ、ボイス
- テラス・マーティン(Terrace Martin):サックス、ボコーダー、シンセサイザー
- クリスチャン・スコット(Christian Scott aTunde Adjuah):トランペット
- デリック・ホッジ:ベース
- ジャスティン・タイソン(Justin Tyson):ドラム
- テイラー・マクファーリン(Taylor McFerrin):シンセサイザー、ビート
- 『Collagically Speaking』2018年6月
- ライブアルバム『Live』2021年2月
オーガスト・グリーン(August Greene)
- ロバート・グラスパー:ピアノ、キーボード
- コモン(Common):ボーカル
- カリーム・リギンス(Karriem Riggins):ドラム、ギター
- 『August Greene』2018年8月
ディナー・パーティー(Dinner Party)
- ロバート・グラスパー:ピアノ、ウーリッツァーピアノ、フェンダーローズ、ミニモーグ
- テラス・マーティン:アルトサックス、ミニモーグ、KORG KRONOS、ボコーダー
- ナインス・ワンダー(9th Wonder):プログラミング(MASCHINE MK3、FL Studio 6)
- カマシ・ワシントン(Kamasi Washington):テナーサックス、KORG KRONOS
- EP『Dinner Party』2020年7月
- EP『Dinner Party: Dessert』2020年10月
Robert Glasper『BLACK RADIO III』相関図を作りました。
ロバート・グラスパーを中心に『Ⅲ』の参加者と近いアーティストをマッピングしました。
・監修:柳樂光隆
・編集:小熊俊哉
・デザイン:川井田好應
・イラストレーション:Yuki Ohama☞ https://t.co/rcq4rYxGhQ @robertglasper pic.twitter.com/GmRyYIjb9S
— 柳樂光隆 《Jazz The New Chapter》 (@Elis_ragiNa) February 25, 2022
歴史的名盤『Black Radio』の10周年を記念してリリースされた、11枚目のスタジオアルバム『Black Radio III』(2022年2月25日、13曲・1時間7分15秒、国内盤CD:15曲・1時間13分35秒)。
アルバムタイトルの由来となった楽曲「Black Radio (feat. Yasiin Bey)」には、たとえ墜落しても記録が残る飛行機のブラックボックス(フライトデータレコーダー+コックピットボイスレコーダー)のように、「何があっても生き残る良い音楽」という意味が込められています。
モス・デフ(Mos Def)ことヤシーン・ベイが名付け親で、グラスパーにはもともと「ブラックコミュニティのラジオ局」という発想はなかったものの、後付けで生まれた意味も理にかなっているそうです。
流行に左右されないグッドミュージックを聴いていきましょう!
- Rolling Stone Japan:ロバート・グラスパー『Black Radio III』絶対に知っておくべき5つのポイント
- HMV&BOOKS online:【インタビュー】 ロバート・グラスパー
【1】In Tune (feat. Amir Sulaiman)
- ロバート・グラスパー:作詞・作曲、プロデュース、キーボード
- アミール・スレイマン:作詞・作曲、スポークンワード
- キーヨン・ハロルド(Keyon Harrold):トランペット
- デリック・ホッジ:ベース、ストリングス
- マーカス・ストリックランド:バスクラリネット
詩人アミール・スレイマンの強烈なスポークンワードとグラスパーの繊細な鍵盤の対比が印象的な「イン・チューン」。
ブラック・ライブズ・マター(BLM)運動(2013年7月~)がさらに拡大するきっかけとなったジョージ・フロイド事件(2020年5月)について言及しています。
In Tune
- 歌詞:Genius
- JazzTokyo:ヒロ・ホンシュクの楽曲解説 #76 Robert Glasper <In Tune>
【2】Black Superhero (feat. Killer Mike, BJ the Chicago Kid & Big K.R.I.T.)
- ロバート・グラスパー:作詞・作曲、プロデュース、キーボード
- BJ・ザ・シカゴ・キッド:作詞・作曲、ボーカル
- ビッグ・クリット:作詞・作曲、ボーカル
- キラー・マイク:作詞・作曲、ボーカル
- クリス・デイヴ:作詞・作曲、ドラム
- デリック・ホッジ:ベース
- クリスチャン・スコット:スポークンワード
- リサ・ハリス(Lisa Harris):ボーカル
- ライリー・グラスパー(Riley Glasper):ボイス
- ジョセフィン・ホッジ(Josephine Hodge):ボイス
- DJジャジー・ジェフ(DJ Jazzy Jeff):DJ
第3弾シングル「ブラック・スーパーヒーロー」(2022年1月13日)はアルバムのリード曲で、1曲目「イン・チューン」から続く流れです。
R&BのSSW、BJ・ザ・シカゴ・キッドの「身近な地域にスーパーヒーローが必要」というサビを軸に、活動家でもあるキラー・マイクとビッグ・クリットのラップが加えられました。
冒頭にはグラスパーの息子ライリーたち、子どもの声が入っています。
Black Superhero
In Tune/Black Superhero Live
https://youtu.be/ZARdPpuJoZc
- 歌詞:Genius
【3】Shine (feat. D Smoke & Tiffany Gouche)
- ロバート・グラスパー:作詞・作曲、プロデュース、ピアノ、ドラム
- D・スモーク:作詞・作曲、ボーカル
- ティファニー・グーシェ:作詞・作曲、ボーカル
- ジャスティン・タイソン:作詞・作曲、キーボード
- アイザイア・シャーキー(Isaiah Sharkey):ギター
- キーヨン・ハロルド:ミュートトランペット
- バーニス・トラヴィス2世(Burniss Travis II):ベース
- テラス・マーティン:ソプラノサックス
- ジャヒ・サンダンス(Jahi Sundance):ターンテーブル
第2弾シングル「シャイン」(2021年10月7日)ではカリフォルニア出身のいとこ同士、ラッパーのD・スモークとR&BのSSW、ティファニー・グーシェをゲストに迎えています。
Shine
- 歌詞:Genius
【4】Why We Speak (feat. Q-Tip & Esperanza Spalding)
- ロバート・グラスパー:作詞・作曲、プロデュース、キーボード
- Qティップ:作詞・作曲、ボーカル
- エスペランサ・スポルディング:作詞・作曲、ボーカル
- バーニス・トラヴィス2世:作詞・作曲、ベース
- アイザイア・シャーキー:ギター
- ジャスティン・タイソン:ドラム
ジャズベーシスト&SSWのエスペランサ・スポルディングとベテランラッパーのQティップをフィーチャーした「ホワイ・ウィ・スピーク」。
フランス語と英語を巧みに混ぜ、私たちが話す理由や方法といった多様性から宇宙の真理まで展開する、エスペランサのボーカルに引き込まれます。
Why We Speak
- 歌詞:Genius
【5】Over (feat. Yebba)
- ロバート・グラスパー:作詞・作曲、プロデュース、キーボード
- イェバ:作詞・作曲、ボーカル
- アイザイア・シャーキー:ギター
- バーニス・トラヴィス2世:ベース
- ジャスティン・タイソン:ドラム
- ジャヒ・サンダンス:DJ
「オーヴァー」はR&BのSSWイェバの心地いいボーカル、ミニマルかつ華やかな鍵盤、スネアの効いたドラム、渋いベース、さりげないギターとDJのアンサンブルが秀逸です。
- 歌詞:Genius
【6】Better Than I Imagined (feat. H.E.R. & Meshell Ndgeocello)
- ロバート・グラスパー:作曲、プロデュース、キーボード
- H.E.R.:作詞・作曲、ボーカル
- ミシェル・ンデゲオチェロ:作詞・作曲、スポークンワード
- デリック・ホッジ:ベース
- ジャスティン・タイソン:ドラム
- ジャヒ・サンダンス:DJ、ターンテーブル
第63回グラミー賞(2021年)で最優秀R&Bソング賞を受賞した、第1弾シングル「ベター・ザン・アイ・イマジンド」(2020年8月27日)。
R&BのSSW、H.E.R.のもたる鼻声ボーカルと、バイセクシャルを公言しているネオソウルの女性SSW&ラッパー&ベーシスト、ミシェル・ンデゲオチェロのスポークンワードによる掛け合いが最高です。
ヒップホップ・プロデューサー&ラッパーのJ・ディラ(J Dilla)由来、ネオソウルSSWのディアンジェロ(D’Angelo)やエリカ・バドゥ(Erykah Badu)経由で広まり、NHK Eテレの音楽教養番組「星野源のおんがくこうろん」第1回 ビートの求道者 J・ディラ(2022年2月11日)でも話題になったディラビート(ズレるビート、クオンタイズなし)をボーカルでも堪能できます。
Better Than I Imagined
KAYTRANADA Remix
DJ Tunez Remix
slowed + reverb
Ben Pham Drum Cover
Choreography by Jon’Qis Fillyaw
- 歌詞:Genius
【7】Everybody Wants To Rule The World (feat. Lalah Hathaway & Common)
- ロバート・グラスパー:プロデュース、キーボード
- レイラ・ハサウェイ:ボーカル
- コモン:ボーカル
- イアン・スタンリー(Ian Stanley):作詞・作曲
- ローランド・オーザバル(Roland Orzabal):作詞・作曲
- クリス・ヒューズ(Chris Hughes):作詞・作曲
- アイザイア・シャーキー:ギター
- デリック・ホッジ:ベース
- バーニス・トラヴィス2世:ベース
- ジャスティン・タイソン:ドラム
- ジャヒ・サンダンス:DJ
ティアーズ・フォー・フィアーズ(Tears for Fears)の大ヒットシングル「ルール・ザ・ワールド」(1985年3月)のカバーです。
シカゴソウルSSWダニー・ハサウェイ(Donny Hathaway)の娘でネオソウルSSWのレイラ・ハサウェイ、ベテランラッパーのコモンをゲストに迎え、何とも心地いいグルーヴを醸し出しています。
- 歌詞:Genius
【8】Everybody Love (feat. Musiq Soulchild & Posdnous)
- ロバート・グラスパー:作詞・作曲、プロデュース、キーボード
- ミュージック・ソウルチャイルド:作詞・作曲、ボーカル
- ポスドゥヌス:作詞・作曲、ボーカル
- ジャヒ・サンダンス:プロデュース、作詞・作曲、DJ
- Alexander A-Lex Lloyd:作詞・作曲
- Jordan Cooper:作詞・作曲
- アイザイア・シャーキー:ギター
- デリック・ホッジ:ベース
- Jay Cooper:プログラミング
「エヴリバディ・ラヴ」ではネオソウルSSWのミュージック・ソウルチャイルド、ベテランラッパーのポスドゥヌスをフィーチャー。
『Black Radio III』で唯一ドラム演奏ではない打ち込みビートで、グラスパーの鍵盤ソロも堪能できます。
- 歌詞:Genius
【9】It Don’t Matter (feat. Gregory Porter & Ledisi)
- ロバート・グラスパー:作詞・作曲、プロデュース、キーボード
- レデシー:作詞・作曲、ボーカル
- グレゴリー・ポーター:作詞・作曲、ボーカル
- ジャスティン・タイソン:作詞・作曲
- クリス・デイヴ:作詞・作曲、ドラム
- ピノ・パラディーノ(Pino Palladino):ベース
- マーロン・ウィリアムス(Marlon Williams):ギター
ジャズSSWのグレゴリー・ポーター、R&BのベテランSSWレデシーをゲストに迎えた「イット・ドント・マター」。
ディラビートを生演奏に取り入れた、ディアンジェロの2ndアルバム『Voodoo』(2000年2月)にも参加したベーシストのピノ・パラディーノ、ディアンジェロの3rdアルバム『Black Messiah』(2014年12月)やツアーでタッグを組み、宇多田ヒカルさんの7thアルバム『初恋』(2018年6月)や「Face My Fears (Japanese Version / English Version)」(2019年1月、8thアルバム『BADモード』2022年1月)にも参加したドラマーのクリス・デイヴというリズム隊の組み合わせもたまりません。
- 歌詞:Genius
【10】Heaven’s Here (feat. Ant Clemons)
- ロバート・グラスパー:作詞・作曲、プロデュース、キーボード
- アント・クレモンズ:作詞・作曲、ボーカル
- ブライアン・マイケル・コックス(Bryan-Michael Cox):作詞・作曲、プロデュース、シンセサイザー
- デリック・ホッジ:ベース
- ジャスティン・タイソン:ドラム
- ジャヒ・サンダンス:DJ
「ヘヴンズ・ヒア」ではR&BのSSWアント・クレモンズをフィーチャー。
デリック・ホッジ、ジャスティン・タイソン、ジャヒ・サンダンスという安定のメンバーに、『Black Radio』収録の「Ah Yeah (feat. Musiq Soulchild & Chrisette Michele)」をプロデュースしたブライアン・マイケル・コックスが加わっています。
The Daily Show
- 歌詞:Genius
【11】Out of My Hands (feat. Jennifer Hudson)
- ロバート・グラスパー:作詞・作曲、プロデュース、キーボード
- ジェニファー・ハドソン:作詞・作曲、ボーカル
- テラス・マーティン:プロデュース、シンセサイザー
- Brittany B.:作詞・作曲
- マーロン・ウィリアムス:ギター
- デリック・ホッジ:ベース
- ジャスティン・タイソン:ドラム
ソウルSSWアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)の伝記映画『リスペクト』(2021年)で主演を務めた、R&BのSSW・女優のジェニファー・ハドソンをゲストに迎えた「アウト・オブ・マイ・ハンズ」。
ラッパーのケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)やスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)も手がけるプロデューサーのテラス・マーティンは、『Black Radio III』ではこの11曲目と13曲目「ブライト・ライツ」で共同プロデュースしています。
- 歌詞:Genius
【12】Forever (feat. PJ Morton & India.Arie)
- ロバート・グラスパー:作詞・作曲、プロデュース、キーボード
- PJモートン:作詞・作曲、ボーカル、キーボード
- インディア・アリー:作詞・作曲、ボーカル
- サディーアス・トリベット(Thaddaeus Tribbett):ベース
- ジャスティン・タイソン:ドラム
- コリー・ヘンリー(Cory Henry):オルガン
「フォーエヴァー」ではR&BのSSWでマルーン5(Maroon 5)のキーボーディストのPJモートン、オーガニックソウルSSWのインディア・アリーをフィーチャー。
グラスパーと同じく、ゴスペルとの親和性が高いオルガン奏者のコリー・ヘンリーとベーシストのサディーアス・トリベットも参加していて、後半のジャスティン・タイソンによるドラムの乱れ打ちも圧巻です。
- 歌詞:Genius
【13】Bright Lights (feat. Ty Dolla $ign)
- ロバート・グラスパー:作詞・作曲、プロデュース、キーボード
- タイ・ダラー・サイン:作詞・作曲、ボーカル
- テラス・マーティン:作詞・作曲、プロデュース
- ジャスティン・タイソン:ドラム
ラッパー・SSWのタイ・ダラー・サインをゲストに迎えた「ブライト・ライツ」。
ボーカル、鍵盤、ドラムというシンプルな編成、音数の少ないサウンドが心に染みます。
- 歌詞:Genius
おわりに
新型コロナのパンデミック、ロシアのウクライナ侵攻、福島県沖・岩手県沖地震、中国旅客機墜落と非常事態が相次ぐ2022年。
根深い人種問題に目を向けると、人間の愚かさを痛感するばかりです。
そんな時代に必要とされ、生み落とされた『Black Radio III』。
まず1曲目「In Tune」の激しい口調に驚かされますが、込められているのは「音楽を演奏しているのではなく、音楽を祈っている」というメッセージです。
「それでも愛を祈り続ける」ブラックミュージックの歴史に敬意を払い、感情に走るのではなく論理的に音楽を構築し、歴史に残る名盤を生み続けているグラスパー。
こんなスーパーヒーローが同時代に存在することを思うと、「それでも人間のすばらしさに希望をもちたくなる」のではないでしょうか。
リンク
- Wikipedia:ロバート・グラスパー、Robert Glasper、Black Radio III
- Wikipedia:August Greene、Dinner Party
- AllMusic:Robert Glasper、Black Radio III
- AllMusic:Trio、Experiment、Blue Note All-Stars、R+R=NOW、August Greene、Dinner Party
- Discogs:Robert Glasper、Black Radio III
- Discogs:Trio、Experiment、Blue Note All-Stars、R+R=NOW、August Greene、Dinner Party
- Website:Robert Glasper、UMJ、UMJ/Black Radio III
- Website:Blue Note All-Stars、UMJ/Blue Note All-Stars、UMJ/R+R=NOW
- Linktree:R+R=Now
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- Link:Black Radio III
- YouTube:Robert Glasper、Black Radio III、VEVO
- YouTube:Blue Note All-Stars/Topic、VEVO、R+R=NOW/Topic、VEVO、August Greene/Topic、VEVO、Sounds of Crenshaw
- Tower Records:Robert Glasper、Black Radio III、国内盤CD、輸入盤CD、輸入盤LP
- Spotify:Robert Glasper、Black Radio III
- Spotify:Trio、Blue Note All-Stars、R+R=Now、August Greene、Dinner Party
- Apple Music:Robert Glasper、Black Radio III
- Apple Music:Trio、Experiment、Blue Note All-Stars、R+R=Now、August Greene、Dinner Party
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