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Official髭男dism(ヒゲダン)「50%」歌詞の意味を考察!実写映画『はたらく細胞』主題歌

髭男(ヒゲダン)ことOfficial髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)のデジタルシングル「50%」(読み方:フィフティーパーセント)は、永野芽郁さんと佐藤健さん主演の実写映画『はたらく細胞』の主題歌として書き下ろされました。その「50%」の歌詞の意味を考察、解説します。

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実写映画『はたらく細胞』とは?


実写映画『はたらく細胞』は2024年12月13日に公開されました。原作は清水茜さんの同名漫画、および原田重光さん原作・初嘉屋一生さん作画・清水茜さん監修によるスピンオフ作品『はたらく細胞BLACK』です。

主に人間の体内で働く細胞を擬人化して描いた「笑って泣けてタメになる」物語。細胞の赤血球(永野芽郁さん)と白血球・好中球(佐藤健さん)がダブル主演、健康な高校生・漆崎日胡(芦田愛菜さん)と不摂生な父・漆崎茂(阿部サダヲさん)が人間の親子役を務めました。

さらに、キラーT細胞(山本耕史さん)、NK細胞(仲里依紗さん)、マクロファージ(松本若菜さん)、ヘルパーT細胞(染谷将太さん)、新米赤血球(板垣李光人さん)、先輩赤血球(加藤諒さん)、肝細胞(深田恭子さん)らが細胞役。

漆崎日胡憧れの先輩・武田新(加藤清史郎さん)は人間役。肺炎球菌(片岡愛之助さん)は細菌役、白血病細胞(SEKAI NO OWARI・Fukaseさん)は細胞たちの最強の敵役で出演しています。
https://twitter.com/saibou_movie/status/1867343680354627718

Official髭男dism「50%」歌詞の意味を考察

  • 配信リリース(発売日):2024年12月13日
  • レーベル:IRORI Records・PONY CANYON
  • 1番:イントロ~Aメロ~Bメロ~サビ(Cメロ)
  • 2番:Dメロ~Bメロ~サビ(Cメロ)
  • 3番:Eメロ~間奏~サビ(Cメロ)
  • サブスク:SpotifyApple Music(iTunes)
  • カラオケ:DAMJOYSOUND
  • 楽譜・コード譜:RinNe(リンネ)
  • 中文歌詞:中日歌詞翻譯

https://twitter.com/officialhige/status/1867222886148411560

1番Aメロ:無理せずひと息つこう

後悔のないように 誰かに誇れるように 生きてみようだなんて
奮い立つのは良いけど
ストレスがあっても 耐え抜く事こそが美学だなんて言うなら
ここでひと息つこう

50%/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡

曲名の「50%」からもわかるとおり、常に全力の「100%」で頑張り続けるのは大変なので、半分の「50%」を習慣にしようという内容です。

「50%」を習慣にする対象は、タイアップ先の映画や漫画を踏まえると「細胞の働き」、ヒゲダンというバンドの物語になぞらえると「バンド活動、音楽活動」になります。「タイアップ先と自分たちの音楽、それぞれ50%ずつ」という考え方もできるかもしれません。

まず、注目したいのは「細胞の働き」。脳や脊髄の神経細胞、心臓の心筋細胞などを除くと、ほとんどの細胞は生まれ変わり(入れ替わり、新陳代謝、再生)を繰り返しています。それでも頑張りすぎや過度なストレス、不摂生などによって健康を害することはあるものです。

映画や漫画では細胞が擬人化されているので、本人が意識しなくてもたくさんの細胞が体内で頑張っていることに気づかされます。改めて自分の体や細胞に「いつもありがとう」と感謝の気持ちを伝えたくなった人も多いのではないでしょうか。

もうひとつの軸は、2012年に島根で結成された4人組バンド・ヒゲダンの物語です。とくにボーカル&ピアノ担当のメンバー藤原聡さんは2023年3月11日、声帯ポリープの発症と休養を発表

メジャー3rdアルバム『Rejoice』(リジョイス、2024年7月24日)の発売を記念して、2024年7月23日に東京・羽田で開催されたファンクラブ限定のライブで復活するまで、約1年半ライブ活動を休止しました。

藤原聡さんは島根大学時代、出身地・島根での銀行員時代を経て、2015年4月22日にヒゲダンの1stミニアルバム『ラブとピースは君の中』でインディーズデビュー。2018年4月11日にテレビドラマ『コンフィデンスマンJP』主題歌『ノーダウト』をリリースしてメジャーデビューを果たしました。

さらに、映画『コンフィデンスマンJP ロマンス編』主題歌『Pretender』(プリテンダー、2019年5月15日)、2019 ABC夏の高校野球応援ソング・『熱闘甲子園』テーマソング『宿命』(2019年7月31日)、アニメ映画『HELLO WORLD』主題歌「イエスタデイ」(2019年9月11日)などのヒットを連発。

2019年11月22日に結婚を発表した後も、テレビドラマ『恋はつづくよどこまでも』主題歌『I LOVE…』(アイラブ、2020年2月12日)、テレビアニメ『東京リベンジャーズ』OPテーマ「Cry Baby」(クライ・ベイビー、2021年5月7日)などの活躍が続きました。

藤原聡さんもヒゲダンも頑張り続けてきたので、心身の健康を保つためにも無理をせず「ここでひと息つこう」と提案しています。

1番Bメロ:競争せずに手にする幸せ

競争の義務はない リングもコースもない
だからこそ手にする幸せもあるんだろう

50%/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡

ゴスペル調の壮大な楽曲「50%」。派手なサビや早口で目まぐるしく変化するラップ調もあるなか、実際に「ひと息つく」雰囲気を醸し出しているのが、1番と2番で繰り返され、3番では間奏となる「Bメロ」です。

「リング」はボクシングやプロレスなど格闘技の「試合場」のこと、「コース」は陸上・水泳・ゴルフなどさまざまな競技の「進路」が考えられます。こうした格闘技やスポーツなどを別にすると、人生や音楽には本来「競争の義務はない」といえるかもしれません。たしかに勝ち負けとは無縁の幸せもありそうです。

1番サビ:全力だとすり減る場合の対処法

[50]パーで生きたいのにね [100]じゃなきゃダメなんて
Oh いつ教わったんだっけ?と
我に返って 割とすぐにまた間違えてを繰り返して すり減るまで
灰になるまで 悪かねえ なわけがねえ!

50%/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡

「50」の読み方は「フィフティ」、「100」は「ワンハンドレッド」。そのため「(教)わったんだっけ?、我に返って、割とすぐに、悪かねえ、(な)わけがねえ!」という「わ」の頭韻が心地よく響きます。

「競争社会を生き抜くためには全力で頑張り続けなければいけない」と考えがちかもしれません。ところが無理をしすぎると体調を崩して「我に返る」こともあります。体からの「休め」のサインに気づいて休んだつもりでも、気がつくとまた全力ダッシュしてダウンを繰り返す人もいるでしょう。

とくに音楽家の場合は、売上ランキングを気にしながら常に全力で楽曲制作やライブを続けなければいけないのかどうか、悩ましいところです。ただ、アスリートも音楽家もそれ以外の人々も、全力を出し続けるあまり、すり減って続かないようでは対処法を考えたほういいはず。その対処法が「50%」だと思われます。

2番Dメロ:永く続けるための休み方

泡と消えたスローライフ 滑り込んだ休日に 誰かの輝いてる姿に
勝手に焦り悔やみ 現状に苛立ち 眠れぬまま朝になる 昼夜逆転が癖になる
立ち止まってる場合じゃないと重い腰を動かし
身の丈に合わない速度のトレッドミルに乗っかり
転び 風邪ひき 自己管理も出来ない自分に
何を成し遂げられると言うのだろう?
なんて言わない! あまり病まないように よーいドン!もゴールもない
記録もない人生も愛したい
とはいえ現代社会しゃあない
生きてくためにやらないわけにいかない時はせめて
[80]パーくらいを上限にしよう もう負けとかどうでもいいよ
自分のやりたい事だけ永く続けたい!

50%/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡

「トレッドミル」は「ルームランナー、ジョギングマシン、ランニングマシン、ウォーキングマシン」などとも呼ばれる、ランニングやウォーキングを行うための健康器具のこと。

仕事や勉強などが忙しすぎるときは目の前のことしか考えられず、悩む暇もないかもしれません。ところが悩む時間だけはあるのが休日。誰かと自分を比較して落ち込んだり奮起したり、ダラダラした生活を反省して健康を気にしすぎるあまり無理して体調を崩すなど、失敗が絶えません。

やりたいことを永く続けるためには休み方もポイント。勝ち負けをまったく気にせずに生きることは難しい気もしますが、他人と比較せずに休むときは休む、やるときはやるという自分のペースを見失わないことがコツかもしれません。

2番サビ:50%定位置の意味

[50]パーで生きたいのにね [100]じゃなきゃダメなんて
Oh いつ教わったんだっけ?と
我に返って 割とすぐにまた間違えてを繰り返して すり減るまで
灰になるまで なぜかねえ

ってかきっと背負い込み過ぎていない? でも下ろしたいわけじゃない?
自分の身体への問いかけを忘れてはいけない そう言う事みたい
心の肩こりを緩めたならさあ Oh
改めて今日から俺らは50%定位置で!

50%/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡

「1番Bメロ」の繰り返し「2番Bメロ」に続く「2番サビ」。「1番サビ」とは「灰になるまで」の後の「なぜかねえ」以降が異なっています。そのサビの締めとなるのがこの楽曲のパンチライン「改めて今日から俺らは50%定位置で!」。

曲名の「50%」を「フィフティーパーセント」と読ませているため、「50%定位置」で「フィフティーパーセンテージ」にも聴こえるという空耳英語的なオチです。意味は「50%を定位置にする(習慣にする)」といったところでしょう。

サビ冒頭の「[50]パーで生きたいのにね [100]」も「フィフティーパーで生きたいのに根はハンドレッド」と空耳できそうです。そもそも全力を出しがちな人にとっては常に半分くらいがちょうどいいという話になり、藤原聡さんを含むヒゲダンのメンバーは改めてほどほどに頑張ると宣言しています。

3番Eメロ:休んで備えて放つ100%

ホルモン腸脳関係 ジャンク疲れの自律神経 労って熱いハグで
全体気をつけんで
休んで備えて ここぞでだけで 放って君の[100]%!!!

50%/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡

ヒゲダンのバンドの物語や音楽活動に向き合う姿勢をしっかり表現できたので、タイアップ先の細胞関係のワードを盛り込むサービスも忘れません。

集団行動の場合「全体気をつけ(直立不動)、休め」となるため、細胞やリスナーに対しても「労(いた)わって熱いハグ(抱擁)」を忘れず、基本は休み、全力を出すのは「ここぞ」というときだけと促しています。

この後「Bメロ」のコーラスを含む「間奏」が続き、ラストに「2番サビ」の繰り返し「3番サビ」で幕を閉じます。その「間奏」が「休んで備えて」、「3番サビ」が「ここぞで放つ100%」に相当するというおもしろい構成でした。

おわりに

「50%」にはゴスペルやラップが盛り込まれていて、ブラックミュージックをルーツとするヒゲダンのやりたいこととタイアップ先の物語が半分ずつという醍醐味もあったでしょう。実写映画『はたらく細胞』主演の2人、永野芽郁さんと佐藤健さんが2018年度前期の朝ドラ『半分、青い。』以来の共演だった点も考慮したのかもしれません。

ラブソングやアニソンなどのヒットも連発し、2022年6月7日にバンド結成10周年を迎えながらも2023年3月11日〜2024年7月22日にライブ活動を休止したヒゲダン。それでもTVアニメ『アオのハコ』 OP主題歌「Same Blue」(セイム・ブルー、2024年10月2日)も好調で、2025年4月22日にはインディーズデビュー10周年を迎えます。

さらに、2025年5月〜6月にはバンド初のスタジアムライブ『OFFICIAL HIGE DANDISM LIVE at STADIUM』を開催。実際に「休んで備えてここぞで放つ100%」になっているところがヒゲダンらしいですね。

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渡辺和歌
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